大人の自由時間を楽しもう! 空を自由に飛べるドローン⁠あなたも飛ばしてみませんか

ドローンは反社会的?

何かとお騒がせなドローン。ニュースになるのは事故が多いので眉をひそめる向きもありますが、それは大きな誤解。古くからラジコン(RC)には「空物(そらもの⁠⁠」というジャンルがあり、れっきとした大人の趣味です。模型飛行機やヘリコプターなどの空物RCは、RCの最高峰といえる難易度の高い遊び。だからこそ人目につくような場所で飛ばしている人はいません。趣味のRCの世界では、複数の羽根を持つヘリコプター型の機体を「マルチコプター」と呼んでいます。

RCホビーとしてのマルチコプターが広がったのは2012年以降。モバイル技術の進化のおかげでジャイロセンサーやGPSの小型汎用化が進みました。それがマルチコプターに搭載され、高い操縦技術が必要な空物RCのハードルが下がったのです。カメラも小型高解像度になり、空撮も手軽になりました。映像を無線で飛ばし、スマートフォンやタブレットで見ながら飛ぶ「FPV」⁠ファーストパーソンビュー)も可能になりました。こういった要因が従来のRCファン以外の人たちの興味もとらえてファン層が広がったのです。

分別をわきまえた大人にこそおすすめ

ところが、にわかユーザーが増えて、軽い気持ちで飛ばして事故を起こしてしまったのが逆に注目を集めてしまうことに…。そんな迷惑な人たちとは一線を画して、きちんと大人の趣味としてドローンを楽しんでみませんか? その際、肝に銘じておくことはたったひとつ。⁠空を飛ぶものは必ず落ちる危険がある」ということです。本物の飛行機だってヘリコプターだって墜落することがある。万一落ちたときにどうなるか、という想像力さえ持っていれば、大人ならいつどこで飛ばしていいのかはわかるはずです。

ドローンオーナーの三大心得

① 人に危害を与えない
高速回転するローターを持つ、数百g~数kgの物体が高速で人にぶつかったら…重傷を負わせたり、最悪は命にかかわります。
② 社会に損害を与えない
航空、鉄道、道路、送電網、政府機関など、重要な社会インフラを担う場所を飛行して業務を妨害した場合、損害賠償や刑罰もありえます。
③ 人の財産や権利を侵害しない
他人の私有地に勝手に入らない、プライバシーを侵害しないのは、民法の不法行為によるところです。

思い通りに操るのは難しい、だから面白い!

ドローンは簡単に飛ばせると思いがちですが、⁠浮かせる」ことは誰でもできても自由に「飛ばせる」のはまったく別の話です。空物RCが初めての人は、まずは室内で基本の練習から始めましょう。

ドローンの操縦は、基本的に次の4種類の操作の組み合わせです。⁠スロットル」は上昇/下降のこと、⁠エレベーター」は前進/後進のこと、⁠エルロン」は左/右への平行移動、⁠ラダー」は機体の左/右旋回です。まずこの4つの用語を覚えましょう。

車の運転と同じで初心者はぶつけたり、落としたり、壊したりします。最悪は制御不能でロスト(紛失)します。ドローンの基本操作はどれも同じですから、まだ教習所レベルの腕と自覚するなら、まずは安価で操作性のよい練習機で練習し、自信がついてから上位の機体へと移行するほうが、結果的に安く長く楽しめるでしょう。

室内でうまく操縦できても、外に出るととたんに風などの自然条件で思うように飛ばせなくなるのも当たり前です。そんな試練にも耐えられたら、いよいよ景色に恵まれた安全な場所で思い切りFPVや空撮を楽しんでみましょう。大空を鳥のように飛んで、ふだんは絶対に見られない視点から景色を眺めたとき、ドローンはきっとあなたに新鮮な感動を与えてくれるでしょう。