「進捗をいまよりよくしたい」
そんなときに考えがちなのが「人を増やそう」という対策。でも、プログラミングなどのクリエイティブな仕事では、それが悪手となってしまいがちなのをご存知でしょうか。
まず、あとから入った人が仕事の詳細を理解するのに時間がかかります。もし、いま仕事をしている人が教えるとしたら、その分の時間が犠牲になります。
また、人が増えれば、コミュニケーションの時間も多く必要になります。新しく入った人と考え方や進め方の認識がそろっていなければすりあわせないといけませんが、それには大きな労力がかかります。
「仕事を細かく分解して、部分的に手伝ってもらえばいいだろう」とも思いがちですが、優秀な人ほど「ならば自分でやったほうが速い」となってしまいます。それでも、人が入ってしまったら何もさせないわけにはいかないので、なんとか仕事を作り出そうとすることも。結果として、さらに進捗が悪化するハメに……。
人を2倍にしても、比例して生産性が上がるわけではありません。それどころか、むしろマイナスになってしまう可能性もあるのです。
このことは、半世紀近く前に『人月の神話』という本ですでに触れられていた話ですが、いまだに知られておらず、同じ過ちが繰り返されています。
新刊『人が増えても速くならない』では、このほかにも以下のようなこれまでの常識とは反するような話を集大成。
- 完成しても終わりではない
- たくさん作っても生産性が高いとは言えない
- 人に依存せず同じ品質にはできない
- プレッシャーをかけても生産性は上がらない
- 見積もりを求めるほど絶望感は増す
- 一度に大きく作ると得に見えて損をする
- 工程で分担しても効率化につながらない
「え、どういうこと?」と1つでも思った方、必読です。