ネットワーク技術を学ぶのは難しい
我々の日常生活に欠かすことのできない社会インフラの1つと言えるコンピュータネットワーク。スマホやPCから利用するだけなら、その仕組みを深く知る必要はありませんが、仕事でシステムの構築や運用管理に従事する方は、きちんと理解しておくことが必要になります。
しかし、次のような理由からマスターするまでの道のりは険しいです。
押えておくべき技術用語が多すぎる
たとえば、社内LAN内でファイルをやり取りしている状況を詳細に説明する場合、「TCP/IP」「IPアドレス」「サブネット」「DHCP」「プロトコル」「MACアドレス」「ARP」「ゲートウェイ」……、さらに機器として「ルータ」「レイヤ3スイッチ」……などなど、数多くの技術用語を理解しておく必要があります。
お試し環境を準備するのが大変
技術用語をある程度理解できたとしても、社内LANをいきなり設計/構築するのは難しいでしょう。そのため、できればテスト環境などを構築して、いろいろと設定コマンドを投入して試してみたいところですが、テスト用のネットワーク機器を準備する段階でハードルが高くなってしまいます。
便利なエミュレータソフトがある!
現在では「GNS3」や「Cisco Packet Tracer」など、擬似的にネットワークを構築できるソフトウェアやサービスが、個人レベルでも簡単に入手できるようになっています。
- GNS3(図1)
- 公式サイトからダウンロードできますが、利用するためにはCisco IOSが別途必要になります。
- Cisco Packet Tracer
- Cisco Networking Academyからダウンロードできますが、先にアカウントなどを作成する必要があります。
これらは、実際にルーターやレイヤ3スイッチといった機器の動作をエミュレートし、自分でコマンドを投入してネットワーク環境を構築できます。また、ネットワーク技術者試験の勉強にも役立ちますので、ぜひ挑戦してみてください。
図1 GNS3の画面イメージ
ここで紹介する書籍では、ネットワーク技術をきっちりと学べるように、技術や仕組みを解説してから、エミュレータ上での演習を行う構成になっています。演習環境は「GNS3」をベースに解説していますが、「Cisco Packet Tracer」用のファイルも用意しています。さらに、環境構築が難しい方には演習手順をYouTube動画で説明しています。