Excelにおいて、セルの高さや幅を狭めて方眼紙状にし、セルの結合を多用した書式を、俗に「神Excel」(ネ申Excel)と呼びます。紙に印刷することを前提とした書式であることから、「紙」が転じて「神」と呼ばれるようになりました。
これは役所の窓口に置いてある申請書のように印刷して手書きしてもらう場合ならいいのですが、パソコン上で使うとなると、
- 「結合されたセルをコピーすると、貼り付け先でもその結合が引き継がれてしまう」
- 「日付の欄を1行下にずらそうとすると、『この操作は結合したセルには行えません。』と出てうまくいかない」
など、とても非効率な事態を招きます。
このような問題は、1枚のシート上に複数の表や入力欄を直接レイアウトしようとするから起こるものです。「書式に直接入力するのではなく、入力用の表を別途設ける」ことで解決できます。たとえば、次のように縦方向のシンプルな入力フォームを用意します。
この入力表では、黄色いセルにはあらかじめVLOOKUP関数を入力されており、顧客IDだけ入力すれば自動的に顧客住所や顧客名が入力されるようになっているなどの工夫が施されています。
入力が終わったら、入力した範囲を選択して、コピー→データベース表の新規行に[行/列を入れ替え]で横方向のデータに変換すれば、データベースに追加できます。
あとは、このデータベースから必要な値をそれぞれ個別のシートで作成した入力欄、表に持ってくる仕組みを整え、それぞれをコピー→「リンクされた図」として貼り付けてレイアウトすることで、必要な値が入力された書式ができあがります。
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