『データサイエンティスト養成読本 ビジネス活用編』
- 「読んでいて苦しくなった」
- 「読み直したときに闇を感じた」
- 「涙が止まらない」
これらはネット上にあがったある書籍の感想です。どんなホラー小説かと思えば、データ分析のビジネス活用をテーマにした書籍の感想なのです。
多くの困難が待ち受けるデータ分析
データサイエンティストブームから、はや数年、ニュースやプレスリリースにはビッグデータや機械学習、人工知能などのデータ分析に関連するキーワードが踊っています。これらはニュース/メールの概要に収まるように要約され、データ分析、機械学習事例が成功したと伝えています。しかし、忘れてはいけません。そのニュースの裏側にはとてつもない苦労があるのです。知識のない意思決定者、目的を理解していないマネージャ、丸投げしてくる発注者、非協力的な現場の社員/システム部門……など、登場人物を考えるだけでも苦労がうかがえます。どんなデータがあるかも想像してみましょう。あると言っていたはずなのに見当たらない幽霊データ、ほとんど不必要なゴミビッグデータ、同じ会社なのに手に入らない幻のデータ……。
巷に出回っているデータ分析成功のニュースは、これらの多くの困難を超えてきた輝かしい成果であることを忘れてはいけません。機械学習や人工知能を用いた効率化、自動化を達成するには、多くの苦労が必要であることを忘れてはいけないのです。
『データサイエンティスト養成読本 ビジネス活用編』も例外なく、データ活用のベストプラクティスを誌面にまとめた経緯があります。その上、多くの困難を乗り越えてきた先人達が書くので、一見かんたんそうに見えるのです。本書は実務経験のバロメータになりうるでしょう。例えば「データを抽出して目的にそうように整形します」のような一行はかんたんに見えますが、実務経験が豊富な読者であればその行間に多くの困難や苦労を読み取り涙するのです。
それでも避けられないデータ活用
データによる意思決定、機械学習を利用した自動化などの取り組みは、ビジネスに関わる組織であれば避けて通ることはできません。なぜなら、業種を問わず多くの企業は競争の中にいるはずです。GAFAと呼ばれる巨大テクノロジー企業は、サイバーフィジカルを目論んで現実世界へ進出しはじめています(このあたりの詳細は誌面の都合で省略します)。データを活用しながら成長を続けるこれらの企業と競争するためには、これまでと同じ働き方ではたち打ちできないでしょう。一方で、国内を見れば生産年齢人口の減少は明らかで、ここでもテクノロジーによる解決が求められています。いまや効率的な働き方や業務の自動化は急務なのです。すでにデータ分析からビジネス価値を見出した組織とデータ分析が根付かなかった組織との差が広がりはじめています。
本書は、データ分析がうまく機能している組織から執筆者を迎え、実務担当者の振る舞いからマネージャ/経営者層が持つべきデータ分析プロジェクトの進め方などのノウハウをお届けします。ぜひ手にとってご覧ください。