※『クラウドゲームをつくる技術』第0章、第2章より
クラウドゲームは、クラウドを介して楽しめるゲームです(図a)。世界中のスマートフォンやPC、ゲーム端末などを、インターネット経由で結び、たくさんのユーザーをつなぐ、マルチプレイゲームがその魅力の一つになっていくと言われています。
図a 『Kepler 22b』開発中の様子
宇宙が舞台の、2D全方向シューティングのクラウドゲーム(試作)
GitHubで公開中
図bの基本構成は、多くのクラウドゲームサービスで共通です。
図b クラウドゲームのしくみ
- ❶クラウドゲームでは、ゲームロジック(ゲームのあらゆる判定)を、ゲームサーバーのマシンで行います
- ❷一方、ユーザー側のクライアントマシンには、多くのゲームをプレイできる汎用的なインストールします
- ❸ゲームに必要な画像や音などの元になるデータは、ゲームサーバーからViewerリアルタイムに送信し続けます。送信内容は、映像やスプライト、あるいは映像の元になるデータ形式など様々です
クラウドゲームのメリットは、ゲーム自体のインストールなしで、スマートフォンなど幅広い端末に対してハイエンドなグラフィックスを使うゲームを提供できる、スプライトを用いた画像劣化のないきれいな絵をリモートで描画できる、ゲームデータをサーバー側で守れるといった点があります。さらに、マルチプレイゲームに関して、ネットワークプログラミングなしで実現可能という魅力もあります。
クラウド上の端末にGPUが搭載され、無数の端末をつなぐネットワーク技術のさらなる高速化が見えてきた今、クラウドゲームの技術は大きく変わろうとしています。リッチなコンテンツの新しい楽しみ方が、ユーザーに届く日も近いかもしれません。