広告やポスター、チラシ、雑誌、Webサイト…これらを見るとまず目に飛び込んでくるのが写真!! ですよね。詳しい情報は文字を読まなければわかりませんが、最初の印象を決めるのはやっぱりビジュアル要素。中でも多く利用されるのが、写真です。ポスターや雑誌に掲載された写真は、多くの場合フォトグラファーによって撮影されます。けれども、撮影して終わり、ということではありません。撮影された写真はデザインにあわせて、レタッチ・合成が行われるのです。
こうしたレタッチ・合成は、専門のレタッチャーと呼ばれる人が担当することもあれば、デザインと並行してデザイナーが行うこともあります。そして今回ご紹介する飯田かずなさんのように、写真を撮影したフォトグラファーが、撮影後にレタッチと合成を行い、それからデザイナーに渡すということも多くあるのです。
飯田かずなさんは、書籍『ブスの瞳に恋してる』や映画『ラブ×ドック』など、広告・雑誌・写真集などを中心に多方面で活躍するフォトグラファーです。そして、飯田さんの特徴はその作風にあります。とにかく色鮮やかで(ビビッド)、奇抜(キッチュ)! どの作品にも、飯田さんにしか出せない世界観があふれています。
このように飯田さんにしか出せない「色」がある一方で、飯田さんが行っているのは特別なことではありません。パソコンとPhotoshop、カメラがあれば、方法としては誰でもできるはずのことなのです。しかし、道具は誰でも使えるものであっても、そこには飯田さんならではの準備と工夫、アイデア、テクニックが張り巡らされています。その結果が、「飯田かずな」ブランドになっているというわけです。
そんな飯田さんが「考えていること・実践していること」は、普段は外側には漏れてきません。人の目に触れるのは「結果」としての作品だけで、「プロセス」はブラックボックスの中に入っています。そして、そんな門外不出の創作プロセスをすべて明らかにしたのが、「ビビッド&キッチュ! Photoshopレタッチ・合成 Super☆Making」というわけです。森三中の大島美幸さん、白鵬関など、どこかで「見たことある!」写真の、アイデア段階から実際のレタッチ・合成プロセスまでを、実際のPhotoshopの操作にもとづいて手取り足取りていねいに紹介しています。
フォトグラファーの皆さんも、デザイナーの皆さんも、もちろんそれ以外の仕事の皆さんも、現場のフォトグラファーが何を考え、どのようにレタッチ・加工を行っているのか、これを機会に覗いてみてはいかがでしょうか?