※『超速! Webページ速度改善ガイド』(技術評論社、2017)
第1章「Webページの速度」より
Webページの速度は、ビジネスに大きな影響を及ぼします。事例を見ていきましょう。
GoogleとMicrosoftの事例──遅延による収益の悪化
GoogleとMicrosoftの検索エンジンチームによって2009年に発表された調査では、レスポンスが0.5秒遅延することで1ユーザーあたりの収益が-1.2%、1秒遅延することで-2.8%、2秒遅延することで-4.3%になることが明らかになりました。検索エンジンという、提供サービスと収益となる広告がどちらもWebで完結する事業の場合、Webページの速度が収益にも非常に大きいレベルで影響することがわかります。
アメリカ大統領選挙の事例──高速化によるコンバージョン率の向上
2011年から2012年にかけて運用されたアメリカ合衆国大統領選挙におけるオバマ氏のキャンペーンサイトに関する発表では、キャンペーンサイトを刷新した際にWebページのロード速度が60%高速化された結果、寄付のコンバージョン率が14%も向上したとしています。さらに240ものA/Bテストを繰り返すことで、追加で推定49%ものコンバージョン率を向上させています。このキャンペーンの寄付総額は、11億ドルにも及びました。
Netflixの事例──転送量の削減によるコスト削減
2008年に発表されたNetflixの事例では、Webページの各種リソースのファイルサイズを減らすことで、ネットワーク転送量をおよそ半分にできたとしています。
CDNなどのネットワークサービスを利用している場合、転送量による従量課金が一般的ですので、転送量の削減はそのままコストの削減にもつながります。これは、Webページの速度はユーザー体験だけでなく、運用コストにもインパクトを出し得ることを示しています。
Webページの速度はフロントエンドで決まる
ユーザーに対するレスポンスタイムのうち80%から90%は、フロントエンドで発生しています。
そこで書籍『超速! Webページ速度改善ガイド』では、フロントエンドを改善してWebページを超越した速度にするためのノウハウを徹底解説していきます。