BIMを無理なく導入するには

BIMとは

BIMとは、Building Information Modeling(ビルディング インフォメーション モデリング)の略で、コンピュータ上に作成した建築3Dモデルに、仕上げや工程、コストなどのさまざまな情報を持たせた画期的なシステムです。3Dモデルに、材質や管理情報などの属性データを追加し、追加建物の設計から施工、維持管理まで活用することで効率が向上します。

BIMのメリット/デメリット

これまでの2D-CADを使った設計では、平面図、立面図、断面図などを1枚ずつべつべつに作成していました。BIMを導入することで、図面の不整合性がなくなります。また、図面に変更があった場合も、これまでは関連する図面をすべて修正する必要がありましたが、BIMなら3Dモデルを変更するだけで関連する図面もすべて自動的に変更されます。

BIMには、次のようなメリットがあります。

  • 図面の整合性をとるための修正や面倒な面積計算などをする必要がなくなり、設計者はデザインや詳細の検討といった設計に集中できる
  • 3Dモデルを使った分かりやすいプレゼンができる
  • 設計や工事中の意思決定が早くなる

日本でも少しずつBIMの導入が始まっており、2014年には国土交通省の「BIMガイドライン」が策定されました。今後、BIMはより重要な存在になるでしょう。

BIMによる設計の例。1つの3Dモデルからさまざまな図面が生成されている
BIMによる設計の例。1つの3Dモデルからさまざまな図面が生成されている

BIMは大変便利ですが一方で次のようなデメリットもあります。

  • 3Dモデリングの知識が必要になる
  • 「平面図だけが欲しい」といった場合でも、3Dモデルを作成しなければならず、かえって時間がかかる

このような事情もあり、BIMの導入をためらっている人も多いと思います。

平面図からBIMをはじめよう!

そこで、本書は、Autodesk社のRevitを使って、従来の2D-CADのように「平面図」「簡易な方法」「早く」⁠思い通りに」作成する方法を紹介しています。平面図が固まったら、平面図に高さ情報を加え、立面図や断面図などを作成します。

平面図(2階部分)とそれを3Dで表示したところ。平面図から始めてこれだけの3Dモデルが作成できる
平面図(2階部分)

平面図(2階部分)を3Dで表示したところ

いきなり3Dモデルの作成をすると大変ですが、本書で紹介している「平面図からはじめるBIMの導入手法:平B式」なら、AutoCADやJw_cadで図面を作成していた人が、スムーズに無理なくBIMを導入できます。これからBIMを始めたいという方は本書が役立つはずです。