「アウトライナー」って何をするソフト?
「アウトライナー」と聞いてピンと来る人はあまり多くないかもしれません。では、「アウトライン・プロセッサー」ならどうでしょうか? PCのベテランユーザーさんのなかには、「なんか聞いたことある」という方もいらっしゃると思います。
アウトライナー(アウトライン・プロセッサー)は、アウトラインの作成と編集に特化したソフトです。「アウトライン(Outline)」は、通常は「概略」「概要」「あらまし」「要旨」といった意味になりますが、ここでは「入れ子状になった箇条書き」のことを指します。
アウトライナーは、その入れ子状になった箇条書きであるアウトラインを作成したり、編集したりするソフト。こう表現すると、味も素っ気もない、無味乾燥なソフトのように思えてしまいますが、実はそうではありません。
新刊書籍『アウトライナー実践入門』は、アウトライナーの可能性を100%以上引き出すために書かれた本です。この本のなかでは、アウトライナーを、「アウトラインを利用して〈文章を書き、考える〉ためのソフト」だと定義しています。
〈文章を書き、考える〉ためのソフト――つまり、知識労働に携わるナレッジワーカーや、ライフハックが好きな方、ブロガーさんやライターさん、卒論や就活でたくさんの文章を書く大学生、といった方々のためのソフトということです。
アウトライナーは、一見するとシンプルなソフトです。無数のメニューやボタンがあって、覚えきれないくらいの機能を備えているソフトではありません。シンプルなゆえに、使い手と使い方によって、いくらでも用途と可能性を広げることができるソフトでもあります。
4つのアウトライナー
なんとなく、アウトライナーのことをイメージしていただけるようになったでしょうか。
もう少し具体的なお話をしましょう。ここまで何度も「アウトライナー」と言及してきましたが、「アウトライナー」という名前の特定のアプリはありません。アウトライナーはジャンル名です。
アウトライナーと呼んで差し支えのないソフトはいくつもありますが、それらがみな使い勝手がいいわけではありません。『アウトライナー実践入門』のなかでは、4つのアウトライナーを取り上げています。
WorkFlowy
現時点で一番多くの人にオススメできるアウトライナー。インストールして使うソフトではなく、ブラウザ上で動作するクラウドアウトライナーです。
Word
毎度おなじみのMicrosoft Word。Wordにはアウトラインモードという機能が備わっており、アウトライナーとして使うことができます。職場のルールで、仕事用のPCにクラウドソフトを導入できない方もいらっしゃるでしょう。そんなときに頼りになるのがWordです。
OmniOutliner
Macユーザーの方にオススメしたいアウトライナーです。Mac版だけでなくiOS版もあるので、iPad、iPhoneユーザーの方はモバイル環境からも利用できます。
Tree
こちらもMacで使えるアウトライナーです。画面の横へ横へと、樹形図表示をできることが特徴です。樹形図=ツリー。機能の特徴が名前になっています。
Windows使いかMac使いか、仕事で使うのかプライベートで使うのか、PCだけで使えればいいのかモバイル環境でも使えないとダメか……。アウトライナーに興味を持たれた方がいらっしゃって、いざ使ってみようかなとなったとき、この4つのソフトは必ず選択肢のなかに入ってくるはずです。