1分でわかる機械学習の概要

Webニュースや新聞紙面を賑わす機械学習ですが、ここではQ&A形式で機械学習の概要をあらためて確認してみます。

Q:そもそも機械学習とは何で、その目的は何なのでしょうか?

A:機械学習とは一言で言えば「データの集合から」⁠その法則性を」学ぶ、と理解してください。

一度与えられたデータから、より広範囲に適用できる汎用的な法則性を学ぶことができれば、将来を予測したり、未知のデータに対して同様の推定を行うことができます。

それこそが機械学習の目的です。

Q:機械学習が注目されるようになった理由は何があるのでしょうか?

A:データ解析を巡るトレンドとしては、⁠ビッグデータ」という言葉が流行し始めたのが2011年、⁠データサイエンティスト」がそれを追うように2013年ごろから注目を集めています。

しかし、データサイエンティストにとっても専門分野の知見が足りないため、また、高次元データにおける現象など人間の知覚能力の限界を超えた現象は観測できないため、分析のための仮説を正しく立てられないケースや、十分な精度を達成できないケースがありました。

そのため、より帰納的なアプローチとしての統計的機械学習、あるいはそれに基づく人工知能の応用に注目が集まっているということです。

Q:機械学習は最近の技術なのでしょうか?

A:機械学習は最近になっていきなり現れたわけではなく、アカデミアでは数十年前から研究分野として確立されており、徐々に発展してきました。

現在ではさまざまな分野と融合しているため、明確な定義は難しいですが、その歴史は人工知能研究の傍流から発生したと言うことができるでしょう。

Q:人工知能に応用される機械学習にはどういう例があるのでしょうか?

A:機械学習と人工知能への期待を決定的に高めたのは、世界的にはIBMのWatsonがアメリカのクイズ番組『Jeopardy!』において人間のクイズチャンピオンに勝利したこと、日本国内では将棋ソフトウェアがプロ棋士と対戦する電王戦でコンピュータ側が優勢となってきたことが挙げられます。

機械がトップクラスの専門家と渡り合うことが難しかった知的タスクにおいて、機械学習を中心とする統計手法だけでなく、エンジニアの知恵と努力の合わせ技によって、互角あるいはそれ以上の性能を発揮できることが、一般に分かりやすい形で示された例です。

Q:では、機械学習はどういった場合に有効なのでしょうか?

A:機械学習以外のアプローチでは超えられない、実用化に関する何らかのハードルを機械学習ならば越えられる場合です…(続きは本誌で)

機械学習のビジネスへの活用は始まったばかりですが、社内へのシステムへの導入を考えたときに、どこから手を付ければ良いのかを伝える資料は少ないと言えます。

データサイエンティスト養成読本 機械学習入門編」の前半部分では、概要、手法のしくみから、機械学習におけるデータの扱い方を解説し、後半部分ではサンプルコードをもとに機械学習の基礎、推薦システム、画像認識などを試すことができます。

本当に機械学習を活用したいと考えている方にとってヒントとなる記事が見つかるでしょう。