楽天のkobo、AmazonのKindle、AppleのiBooksなどなど、電子書籍がいよいよ普及の兆しを見せています。そして、電子書籍の標準規格としてもっとも期待されているのが、EPUBと呼ばれるフォーマットです。EPUBは「Electronic PUBlication」の略で、米国の国際電子出版フォーラム (International Digital Publishing Forum, IDPF) が普及促進を行っています。
EPUBの大きな特徴は、仕様が公開されていること。特定の企業が有するライセンスを入手する必要もなく、無料で誰もが利用できます。EPUBはWebページ制作で利用されているHTML、CSS、XMLをベースに作られています。既存の技術の組み合わせでできていることから、Webデザイナーなどは、これまでのスキルを電子書籍制作に応用することが可能です。
これまで日本では、EPUBはあまり普及していませんでした。理由の一つとして、従来のEPUBは、縦組み、ルビ、圏点といった、日本語の組版に不可欠な表現を実現できなかったことが挙げられます。しかし2011年に公開されたEPUB 3では、こうした日本語組版の機能に対応し、また電子書籍の閲覧用デバイスの普及が見込まれることから、今後ますますEPUBの重要性が高まっていくと考えられています。
「EPUB 3 電子書籍制作の教科書」は、こうしたEPUB 3の仕様をひとつひとつ紐解き、EPUBで電子書籍を制作する上で必要な知識を丁寧に解説した書籍です。各種ドキュメントの制作方法やCSSの設定、画像、オーディオ、ビデオの利用、日本語組版など、知りたかった内容を簡潔に理解することができます。