夏休みまであとわずか。電脳読者の皆様も、海に山にでかける機会が多いでしょう。本稿の担当編集者も子どもが所属する某少年団の野外活動にサポーターとして参加すべく、十数年ぶりに山登りの装備を新調し、中年腹を抱えながらトレッキングに勤しんでます。
山登りを始めた頃は同伴者について行くのに必死でしたが、身体も気持ちにも余裕が出てくると、下界では巡り会えない、素晴らしい被写体を記録したくなります。でも本格的な山岳写真では、三脚や交換レンズなどの装備の重さについつい腰がひけます。もっと気軽に山写真を撮るために、ボディ重量の軽いミラーレス機を購入という選択肢もありますが、手に馴染んだ一眼レフも使いたい。しかし快適な撮影登山のためには、工夫が必要。そこで、今回の電脳記事用にと、登山撮影用のギアを漁ってみることに。
すぐに撮影できて、山行の邪魔にならない
まず、通常の撮影スタイルの問題点整理から。ネックストラップだけだと、首に負担がかかり、カメラも安定しません。ストラップをたすき掛けにするとカメラのユレは防げますが撮影チャンスを逃します。さらにバックパックやカメラバックに収納してしまうと、もう出すのが面倒(時代はウルトラライトハイキング。使用しない機材を背負うなどもってのほか)。
これらを解決できるギアをネットで探してみると、ショルダーハーネスからカメラをぶる下げるタイプの「UN UNX-5802 登山用TKストラップ」なるものを家電量販店のサイトで発見。これなら両肩にカメラの重量を分散でき、かつリーシュコード(サーフィンやスノーボードなどをつなぎ止めるひも)のようにカメラがカラダから離れず、歩行中の全方向へのユレも軽減できます。また、ストラップの一方をワンタッチバックルでストラップに装着する機構で、ザックを降ろす際にもそれほど手間でないのも、便利そう。
登山用ストラップ「UN UNX-5802」とカラビナ
ショルダーハーネスにカラビナと登山用ストラップを装着。カメラが床から浮いているのがわかるだろうか
試用してみて
5月某日。某少年団の登山サポートのため、景信山~小仏峠~城山~高尾の12km縦走に随行。その際に、試用してみることに。ネットショップで取り寄せたところ、なんと愛用のバックパック(MAMMUT CREON PRO)にはそのまま装着できません。ショルダーハーネスにD環がないためなので、カラビナをエアスペースサスペンションシステムのスタビライザー部に装着して、ストラップを繋ぐ部分を急ごしらえ。何とかカメラをつなげます。
さて本番。タイムレースありネイチャーゲームありで、通常のハイキングより体の動きはさらに激しかったのですが、カメラが腹部にぶつかってくることもなく快適。また、こまめな休憩を与えるためパックを急いで降ろす→背負う機会も多かったのですが、脱着にも手こずりませんでした。
改良点としては、カラビナを取り付けるポイントが低く、またカメラのユレを軽減すべく登山用ストラップを短くしていたため、縦イチ写真を撮る際にやや窮屈であったこと。次回はトップスタビライザー部にカラビナを付けるかD環を追加して、カメラ位置が胸のあたりにくるよう調整してみます。皆様も快適なアウトドア“撮影”ライフをお過ごしください。
キャプション:カメラはショルダーハーネスにぶる下がった状態なので、首への負担はまったくない。トップスタビライザー部からぶら下げるとベストと思われる