ブームとは関係なく⁠地球温暖化問題を考えたいあなたに

今をさかのぼること数年前、書店には、地球温暖化は怖い、あるいは逆に、さまざまな懐疑のしかたによって、地球温暖化は怖くないと主張する本が、競って並んでいました。こうしたブームは2012年現在、だいぶ落ち着きを見せたように思います。

本書『地球温暖化はどれくらい「怖い」か? 温暖化リスクの全体像を探る』は、先のそうしたブームとは関係なく、あくまでも現在の科学的知見として考え得る地球温暖化の影響の可能性について、くわしく解説する書籍を目指しました。その意味で本書はあらかじめ「地球温暖化は怖い」あるいは「怖くない」とする立場から書かれた本とは、一線を画しています。

以下に示すよう、各章ごとに、各分野における第一線の研究者が、地球温暖化の影響にはどのようなものが考えられるか、良い影響も悪い影響もまんべんなく提供することを心がけました。ぜひこの機会に、先入観を取り除いて、地球温暖化問題を考えてみてはいかがでしょうか。

【本書の構成】各分野において考え得る温暖化の影響が、まんべんなく解説されています。

  • 序章 なぜ地球温暖化の影響の「全体像」を知るべきか
  • 第1章 気候への影響
  • 第2章 陸上の生物への影響
  • 第3章 海の生物への影響
  • 第4章 水への影響
  • 第5章 農業への影響
  • 第6章 沿岸域への影響
  • 第7章 健康への影響
  • 第8章 その他の影響
  • 終章 温暖化影響の全体像をどう見るか