あなたは理解してますか?ユーザーインターフェースについて

ミスは誘発されるもの

エレベータにあわてて乗り込んだとき、⁠閉]のボタンを押した・つもりだったのに、よく見ると[開]のボタンを押していた、という経験はありませんか? なぜそんなことをしてしまったのでしょう? 人間は、水平方向に並んでいるものを左から認知していくという特徴があり、さまざまな機器はその特徴に合わせてボタンなどが配置されています。エレベータのボタンは、通常、⁠開]⁠閉]の順に配置されています。エレベータを降りるときはこの順番で認知しやすいのですが、乗り込んだ場合ではそれが逆になるため、押し間違えてしまった、というわけです。

が、そもそも[開][閉]という文字は、両方とも「門構え」でよく似ていています。もしこれが[開く]⁠閉じる]と書かれていたら? あるいはというボタンだったら? あなたは、押し間違えたりしなかったかも知れません。

ユーザーインタフェースの重要性

「ユーザーインタフェース」とは、人とコンピュータの間に入るもの、つまり人のやりたいことをコンピュータに伝えるための「システム」部分のことを言います。このシステム部分が難しかったりややこしかったりすると、ユーザーは操作ミスをしてしまいます。

本書は、SEやプログラマなど、ソフトウェアの設計、開発に関わる多くの方々がユーザーインタフェースに関する基礎的な知識を習得できるよう執筆されています。ユーザーにとってわかりやすくて使いやすいユーザーインタフェースとは、人間の脳や心のしくみについても考慮しなければなりませんが、そのあたりも身近な事象を使って、やさしく解説してあります。

本書を読めば、⁠ユーザーインタフェースの真の意味」がわかっていただけると思います。