Access 2007で変わったこと⁠変わらなかったこと

Access 2007は以前のバージョンからいくつかの変更点があり、そのうちの一つ、新規テーブル作成機能の改善は、初心者の視点からは操作性の向上につながっていると見ることができます。

目立った改善点としては、

  1. 新規データベースファイルと同時にテーブルのデータシートが表示され、まず最初にユーザーが何をすべきか、明確なメッセージが送られる。つまり、即座にExcelのワークシートのような画面が表示されるので、データの入力をしていくことがデータベース作成の第一歩ということがわかる。以前のバージョンでは、新規データベースファイルを作成すると、データベースウィンドウという抽象度の高いインターフェースが表示されていた。
  2. テーブルには最初から「ID」という名のオートナンバーフィールドが作成されており、テーブルの作成時の約束事であった「主キーの設定」を知らないユーザーにも、テーブルの作成が簡単になった。以前のバージョンでは、この約束事を無視したユーザーには「主キーが設定されていません。」という理解困難なメッセージが表示されていた。

といったことがあります。

ファイル作成直後に表示される新規テーブル作成画面
ファイル作成直後に表示される新規テーブル作成画面

しかしながら、こうした操作性の向上によって、ユーザーの自然なスキルアップが期待できるかというとそうではありません。例えば、データの入力時にはなぜかデータ型のルールが自動設定されてしまい、また、なぜか主キーというものが勝手に作成されているわけですが、Accessというソフトの操作を通じて、初心者にその理由が伝わることはありません。

Accessはデータベースソフトであり、データベースの本質が変わることはありません。最終的には、背後にあるデータベースという概念の理解が求められるのです。