Q&Aでわかる テレワークの労務・法務・情報セキュリティ
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足立昌聰 編著
寺島有紀,世古修平,笹川豪介,関原秀行 著 - 定価
- 1,958円(本体1,780円+税10%)
- 発売日
- 2020.7.3[在庫なし] 2020.6.26
- 判型
- 四六
- 頁数
- 160ページ
- ISBN
- 978-4-297-11448-0 978-4-297-11449-7
概要
テレワークはツールがそろえばすぐにはじめられるわけではありません。在宅勤務中の社員の管理や,さまざまな情報の取り扱いをしっかり考慮して社内体制を整える必要があります。この書籍では公的機関が出しているガイドラインなどの内容に基づき,テレワークのための体制にまつわる疑問をわかりやすくQ&A形式で解説します。
本書は大きく分けて「労務」「法務」「情報セキュリティ」の観点でトピックを整理しています。「在宅勤務中の従業員の労働時間はどう管理すればいい?」「契約書の押印はどうすればいい?」などテレワーク一般に関連する疑問を解説しているのはもちろん,新型コロナウイルスによる感染症の流行にともなうトピックも取り上げています。これからテレワークをはじめる企業の方はもちろん,急なテレワークに試行錯誤している企業の方にもおすすめです。
こんな方にオススメ
- テレワークをはじめたい企業の総務や情シス
目次
第1章 労務のQ&A
- 1-1 導入手順のギモン
- テレワークを導入することになりました。どのようなプロセスで進めていけばいいでしょうか?
- 実施が難しい職種や部署はテレワークの対象外としていいのでしょうか?
- テレワークできない職種の従業員から不満の声が出ています。どう対応すればいいでしょうか?
- テレワークは就業規則を変更せず導入できるのでしょうか?
- 1-2 労務管理のギモン
- テレワークの際,従業員の労働時間管理はどのように行えばいいのでしょうか?
- 在宅勤務中に子どものお迎えなどで私用外出をする社員がいる場合,労働時間はどう取り扱うべきでしょうか?
- テレワーク中の社員の時間外労働・休日労働はどのように管理すればいいのでしょうか?
- 1-3 賃金のギモン
- テレワークで生じる通信費用は会社が負担する必要があるのでしょうか?
- テレワークによって通勤手当が発生していない従業員の通勤手当はカットしていいのでしょうか?
- 1-4 労災・安全衛生のギモン
- テレワーク中に怪我や病気をした場合,労災の対象にはなるのでしょうか?
- 会社命令の在宅勤務によって誰とも会話ができず気分が落ち込んだ従業員がうつ病を罹患しました。労災になるのでしょうか?
- 在宅勤務中に社員の安全衛生上配慮しなければならないことはありますか?
- 1-5 人事評価のギモン
- テレワークがメインの社員を適切に人事評価できる良い方法はあるのでしょうか?
- 1-6 支援制度のギモン
- テレワーク導入に活用できる助成金などはありますか?
第2章 法務のQ&A
- 2-1 押印のギモン
- テレワークの際,契約書の押印はどうすればいいのでしょうか?
- 電子契約は法的に有効なのでしょうか?
- 2-2 個人情報保護のギモン
- 従業員に貸与したパソコンの操作状況などをモニタリングすることは法律上問題がありますか?
- クラウドサービスを利用した個人情報の管理は個人情報保護法上問題がありますか?
- 自社が管理する個人情報について,処理を委託している事業者の従業員宅で取り扱うことを了承していいでしょうか?
- 2-3 会社運営のギモン
- 取締役会をビデオ会議システムを利用して開催することはできますか?
- YouTubeで中継するなどして「バーチャル株主総会」を開催することはできますか?
- バーチャル株主総会を行う場合,リアル株主総会会場への株主の来場は制限できますか?
- 外出自粛により開催が難しい場合,定時株主総会の時期を延期できますか?
- テレワークにより決算の業務が遅れています。定時株主総会での計算書類の提出や事業報告を延期することはできますか?
- 2-4 契約関係のギモン
- 賃料の減額請求は可能ですか?
- 2-5 知的財産のギモン
- 会社で購入した商用ソフトウェアを私物の端末上でインストールして利用してもいいですか?
- テレワークが原因で特許出願等の手続きが期限までに終わりません。救済措置はありますか?
- 教育機関に勤めています。ウェブ配信方式で授業をする際に著作権について気をつけることはありますか?
- 2-6 緊急事態のギモン
- 緊急事態宣言にはどのような法的効果があるのでしょうか?
第3章 情報セキュリティのQ&A
- 3-1 計画策定のギモン
- 情報セキュリティ対策を講じる上で優先的に対応すべき分野をどう判断したらいいでしょうか?
- テレワークにおける情報セキュリティのルールはどう定めればいいでしょうか?
- 情報セキュリティの取り組みはどのような順序で進めていけばいいでしょうか?
- スモールスタートやテストを効果的に行うためにはどうすればいいでしょうか?
- 3-2 セキュリティ教育のギモン
- テレワークの情報セキュリティ教育はどのように実施すればいいでしょうか?
- テレワークに関してどのように従業員とコミュニケーションを行えばいいでしょうか?
- 3-3 業務のギモン
- テレワーク可能な業務と不可能な業務はどのように振り分ければいいでしょうか?
- 従業員のプライベートと衝突が起こる部分はどのように規律すればいいでしょうか?
- テレワークの開始にともない発生・増加する業務をどのように規律すればいいでしょうか?
- 3-4 技術面のギモン
- テレワーク環境の安全性はどのように検討すればいいでしょうか?
- 従業員の利用端末はどのようにセキュリティを確保すればいいでしょうか?
- テレワークで利用するソフトウェアの安全性はどのように確保すればいいでしょうか?
付録 テレワーク規程テンプレート
プロフィール
足立昌聰
監修・第2章執筆。
弁護士・弁理士・情報処理安全確保支援士。インハウスハブ東京法律事務所代表。民間の米国法律事務所,特許庁を経て,現職。専門は知的財産,技術法務,産学官連携・スタートアップ支援。LINE株式会社のセキュリティ&プライバシーカウンセルも務めるほか,MCPC認定IoTスペシャリスト,横浜市立大学データサイエンス学部非常勤講師,情報処理安全確保士会理事,トラストサービス推進フォーラム特別会員。
Twitter:@MasatoshiAdachi
寺島有紀
第1章執筆。
社会保険労務士。寺島戦略社会保険労務士事務所所長。楽天株式会社の内部統制業務,社労士事務所勤務を経て,現職。ベンチャー企業から一部上場企業まで幅広く人事労務コンサルティングを行っている。著書に『これだけは知っておきたい! スタートアップ・ベンチャー企業の労務管理——初めての従業員雇用からIPO準備期の労務コンプライアンスまで この一冊でやさしく理解できる!』(アニモ出版)。
ホームページ:寺島戦略社会保険労務士事務所HP
世古修平
第3章執筆。
弁護士・CISSP・CIPM・CIPP/E。インハウスハブ東京法律事務所。デロイト トーマツ コンサルティング合同会社,PwCコンサルティング合同会社を経て,現職。専門は情報セキュリティ,プライバシー。LINE株式会社のセキュリティ&プライバシーカウンセル,IPAの試験委員も務める。
Twitter:@seko_law
笹川豪介
第2章執筆。
LINE株式会社情報セキュリティ室。2004年中央三井信託銀行(現・三井住友信託銀行)入社。2011年弁護士登録。その後,筑波大学大学院非常勤講師,京都大学非常勤講師。2019年より現職。著書に『Q&A 民事信託の活用と金融機関の対応』(経済法令研究会)など。
関原秀行
第2章執筆。
弁護士。インハウスハブ東京法律事務所。法律事務所,総務省を経て,現職。専門は,
国内外のデータ保護法の規制対応。著書に『ストーリーとQ&A で学ぶ 改正個人情報
保護法 取得,管理,利用,提供,漏えい,開示請求,越境移転,匿名加工情報,通信
の秘密,位置情報,AI』(日本加除出版),『基本講義 プロバイダ責任制限法 インター
ネット上の違法・有害情報に関する法律実務』(日本加除出版)など。
Twitter:@Hide_Sekihara