11月26日、Googleのコミュニケーション/コラボレーションツールとして注目を集める「Google Wave」の開発者コミュニティGoogle-Wave-API-Japanが、Googleの準公式コミュニティとして認定されました。これを記念して東京、渋谷のグーグルオフィスにてキックオフパーティが開催され、さまざまなゲストにより興味深いデモや発表が行われました。このパーティの模様をフォトレポートの形でお伝えします。
パーティの進行役を務めるのはグーグル(株)デベロッパーアドボケイトの石原直樹氏。
まず、GoogleのデベロッパコミュニティとWaveの関係について紹介がありました。スタンバイしているのはLT発表者の面々。
あんどうやすし氏によるLT
グーグル石原氏によるパーティの開会挨拶の後、Wave API開発者やエキスパートによるにライトニングトーク大会が始まりました。LTのトップバッターは、連載「最速!Google Wave API解説」でもおなじみの、あんどうやすし氏。Wave API担当の「Google API Expert」であるあんどう氏は、Google-Wave-API-Japanコミュニティでも中心的な役割を果たすこととなります。
あんどうやすし氏
LTでは連載でもおなじみのWave APIの概要を紹介された後、これらのAPIを使って作成したGoogle Waveガジェットの紹介とデモが行われました。
Wave APIの一種「Robots API」を使ったボットガジェットのデモ中
さらに、あんどう氏が携わっているSeesaaブログに「Google Wave貼り付けボタン」を追加したことをさりげなく発表。こちらはWave機能を他のページに埋め込むことができる「Wave Embed API」を使っています。
Pamela Foxさん登場
続いて、Google Develper Programs EngineerのPamela FoxさんによるLTです。Pamelaさんといえば「Google Maps APIの人」という印象が強いですが、実はGoogleのウェブ関連技術全般をカバーする知識をもった、Googleのエンジニアの中でも希有の存在だそうで、10月に正式にWave API担当の仕事に就いたとのこと。もちろん以前からWaveについても活動を行っており、初めてWaveがお目見えした「Google I/O 2009」は米国で行われたにもかかわらず、日本人の参加者が非常に多かったのは、ネットでPamelaさんが日本の開発者にたくさん声をかけたからだそうです。それが本当だとしたら、Pamelaさんは日本のGoogle Waveの盛り上がりの立役者の一人と言えますね。
LT中のPamela Foxさん
PamelaさんのLTではお絵かきガジェットや5木並べなどのゲーム、ビデオチャットを行うガジェットなど、Wave APIを使ったさまざまなガジェットを紹介。
アニメーション作成ガジェット。右は南北アメリカ大陸、左上は日本、左下はオーストラリアだそうです(笑)。自分を示す○印がボストンあたりから日本に移動するアニメを即興で作りました。実際Pamelaさんは米国から現在の拠点であるオーストラリアに戻る途中に、このパーティのため日本に立ち寄ったとのこと。
こちらは埋め込み型ガジェットの例。サンタクロースに手紙を出すと、欲しいものがAmazonのウィッシュリストに追加されます。
グーグルジャパン 市川氏のLT
グーグルジャパンのエンジニア、市川宙氏のLTでは、グーグルの「20%ルール」の時間を利用して作ったガジェットの数々を披露しました。
複数の人がコラボレートできるテトリス風ゲーム。他人のピースが入るところを邪魔したりできるそうです。「ゲームの目的がわからない」とツッコミが入っていました(笑)。
市川宙氏
最近作成したという日本語変換ロボット。IMEのAPIを呼び出すガジェットで、ローマ字をカッコで囲むと日本語に変換されます。参加者からどよめきが起こっていました。ChromeからWave上に日本語が入力できない不具合があった際に作られたものだそうで「そんなことよりWaveの不具合直せよ」とセルフツッコミを入れつつのデモでした。
「アイデアソン」優勝者によるLT
乾杯とフリートークを挟んで、同日に行われたWaveのアイデアソンで優勝したグループによるLTがありました。「アイデアソン」とは「ハッカソン」と対をなす試みで、Wave APIを使ったプログラムそのものではなく、アイデアを競うものです。優秀賞を取ったアイデアは、Waveプロトコルを使ってアジャイル開発を支援するEclipseプラグインを作ろうというものでした。
ちなみに、発表者のごうださんはEclipseプラグインの開発経験はないとのことです。
閉会トーク
パーティの終盤、挨拶に立ったのは、Tokyo GTUGのリーダーを務める松尾 貴史氏、そしてあんどう氏とともWaveのAPI Expertを務める中村 敦(a2c)氏です。
松尾氏。「Waveは今あるソフトだけのものではなく、みんなで未来を作っていけるもの」というメッセージで、締め担当の中村氏の前にうまく締めてしまいました。
中村氏。「この集まりが『あの場にオレはいた』と言えるような場になるかもしれない」と予言?