“地球上で生活する10億人以上が清潔で安全な飲料水を得ることができない”という事実に関心をもってもらうことを目的に、ミュージシャンのKenna、女優のJessica Biel、Isabel Lucasなどが、アフリカ大陸の最高峰キリマンジャロ(標高5,895m)に登頂するというプロジェクト、『Summit on the Summit』のウェブサイトです。
図1 大きな目標を持つSummit on the Summitのウェブサイトcredit: BNC.
ウェブサイトに表示される足型のプレート購入による寄付だけでなく、プロジェクトをサポートしているスポンサーの製品であるHP(Hewlett-Packard)のSkinit(ノートPCなどの天板に張るデザイン性を高めるシール)や、家庭用浄水器メーカーPURのウォーターボトルの購入によって安全な飲料水が供給されるなど、プロジェクトにはコーズ・リレーティッド・マーケティング(Cause Related Marketing:企業が社会貢献型のキャンペーンを実施して、顧客との信頼や企業の商品のイメージを向上させる)と呼ばれる手法が取り入れられています。
『Summit on the Summit』にアクセスすると、下へのスクロールが始まり、最後に止まった部分(ページの最下部)がウェブサイトのトップとなります。操作の点から考えれば、上から下へとスクロールさせるのが自然だと思うのですが、なぜこのような表現方法を行ったのでしょうか。
図3 ウェブサイトの最上部は山頂を表す
『Summit on the Summit』プロジェクトでは、多くの人たちが目的を達成するために山に登ります。ウェブサイトではプロジェクトにとって重要なこの行為を、ページの最下部をスタート地点(ベースキャンプ)、最上部をゴール地点(山頂)として表現しています。このため、スタート地点から山頂を目指して山を登るように、下から上へとスクロールさせる仕掛けとなっているのです。