2014年に『たった1日で即戦力になるExcelの教科書』を出版してから、10年の月日が流れました。その間にも、Excelはバージョンアップを繰り返しながら、新しい関数や機能が追加されてきました。また、2023年にはChatGPTをはじめとする生成AIが一般的にも広く活用されはじめ、Excelにも「Copilot」と呼ばれる生成AIによるアシスタント機能が追加されると話題になっています。
このような大きな変化が起きている流れを受けて、改訂第3版では以下の内容を中心に、大幅に加筆・修正をおこないました。
- ChatGPTなど生成AIの活用
- テーブル
- スピル
- Excel 2021/Microsoft 365 以降で使える画期的に便利な新関数
Excel 2019以前のバージョンをお使いの方にはスピルと新関数はまだ使えないものにはなってしまいますが、「最新のExcelはこう進化しているらしい」という参考情報としてお楽しみいただければと思います。
一方で、Excel効率化の基本的な原則は何ら変わっていません。
私が経営する株式会社すごい改善では、2010年の設立以来、数多くの企業、官公庁、大学、自治体からの要請を受けて、Excel作業の効率化、時短、生産性の向上を実現して参りました。また毎週末に東京を中心に各地で開催しているExcel講座は、オンライン版を含めて1万名以上の方にご参加いただきました。そのクライアント、受講者の皆様から寄せられるご相談に対応し続ける中で、結局は「データベースファーストの原則」と「インプット・マスタ・アウトプットの原則」の2つが根幹の最重要原則であり、その実践のために限られたいくつの関数が使えれば十分です。
いつまでもExcelばかり勉強しているわけにもいきません。実務に必要なExcelのノウハウは、ほぼすべて本書だけでまかなえます。
「いつまでもExcelに触ってないで仕事しよう」
これは、私がクライアントの皆様によく申し上げている言葉です。
面倒なExcel作業をそのまま頑張ろうとせずに、なんとかラクして済ませたいと考える「前向きな怠惰」の思考。そして、本書で解説する基礎。それだけあれば十分です。
本書を読み終わったあとは、ぜひ「Excelが使える人」と自信を持ってご活躍されることを願っています。
吉田拳(よしだけん)
Excel業務改善コンサルタント。Excel研修講師。株式会社すごい改善代表取締役。
1975年生まれ。東京外国語大学卒。音楽業界での某大物歌手のマネージャー職,複数の企業でのマーケティング業務を経てメルシャン(株)に入社。同社勤務時代に,Excelを触ったこともなかった状態から,営業戦略用のデータ分析を担当し悪戦苦闘する中で,「企業の生産性をより上げるためには,社員のExcelスキルを向上する必要性がある」と痛感。業務効率化のためのExcel技術を追求し始め,社内の上位数%にのみ与えられるS評価を獲得する。その経験から「Excelを武器に人と企業が成長できるサポート」の実現を目指す。
2010年,(株)すごい改善を設立,代表取締役に就任。実務直結主義のExcel研修を毎週開催,高額の受講料にも関わらず,全国から受講者が参加し,常に2ケ月先まで満席状態が続く。また,「大手IT企業における生産性の向上・残業代などのコスト削減」「飲食店チェーンや工務店,メーカー,会計事務所などのシステム開発」「戦略的経理によるキャッシュフロー改善」など,業種・業態・職種を問わず,Excelを駆使したあらゆる分野での業務改善の専門家として知られる。これまでの指導実績は,中小企業から大手企業まで,1万名以上。Excel研修開催実績は600回を超える。
著書に『マンガ たった1日で即戦力になるExcelの教科書』『たった1秒で仕事が片づくExcel自動化の教科書』(技術評論社),監修に『1万人の業務効率を劇的に改善したExcel速技BEST100』(PHP研究所)がある。
日本経済新聞,週刊ダイヤモンド,プレジデントなど取材記事掲載多数。
公式サイト:https://sugoikaizen.com/
X:@sugoi_kaizen