ITエンジニア残業ゼロの働き方
〜現場で本当に使えた仕事効率化の法則95
〜現場で本当に使えた仕事効率化の法則
2022年2月24日紙版発売
2022年2月21日電子版発売
田中聡 著
四六判/256ページ
定価1,980円(本体1,800円+税10%)
ISBN 978-4-297-12726-8
書籍の概要
この本の概要
本書は決して残業をやめて楽をしようという本ではありません。
「決められた勤務時間内を全力疾走して成果を出すために勤務時間外はきちんと休む」
「そのために残業をやめよう」
このようなことを目的とした本です。
本書では,月100時間のサラリーマンエンジニアだった著者が,年間6か月の残業0と有給消化100%を達成するために試行錯誤した「残業しない働き方」を伝授します。
- 残業はなにが問題なのか
- 自分の心の壁はどうの乗り越えるのか
- 残業をしない状態でどうやって周りの信頼を得るのか
- 決められた時間内に成果を出すためにどうするか
- 残業しない事で新たに生まれた時間をどの使うか
これらのことを考え,そして「ITの専門家」として最大限成果を上げるためのノウハウが身につきます。
日々,残業でくたくたになったエンジニアはもちろん,業務でなかなか成果を出せないエンジニアにもぴったりな1冊です。
こんな方におすすめ
- SIerやITベンダーに勤めるSE,ITエンジニアの方
- 残業に苦しむエンジニアの方
著者の一言
本書は,残業をやめて楽をしようという本ではありません。むしろ,決められた勤務時間内を全力疾走して成果を出すために勤務時間外はきちんと休む,そのために残業をやめようという本です。
世の中の残業に対する考え方は大きく変わってきました。以前はあたりまえだった「サービス残業」は違法と認知され,「過労死」という言葉が広まり,「ライフワークバランス」も重要視されています。仕事だけに人生を捧げるのではなく,私生活も充実させようという考え方が一般的になりました。
世の中の動きに合わせて,エンジニアの環境も以前よりはだいぶましにはなりました。しかし,残業せずに働けているエンジニアはまだまだ少数派です。一般的に「残業は悪」という考え方が広まってきても,現場では「自分たちは違う」と考えてしまうことが多く,「ITエンジニアだから残業は仕方ない」と日々夜遅くまで働いている方がたくさんいます。
しかし,本当にエンジニアだから残業は仕方ないことでしょうか?
私は,「逆にエンジニアだからこそ残業をしてはいけない」と考えています。なぜなら,IT エンジニアは何かを創造し,誰かの問題を解決する知的労働者,つまりITのプロフェッショナルであるべきだからです。
私自身も,以前は深夜残業や休日出勤があたりまえのエンジニアでした。有給休暇もほとんど消化できず,休むのは熱を出して倒れた時だけでした。
しかし,『「残業ゼロ」の仕事力』(吉越浩一郎著)という本と出会い,残業に対する考え方が根本から変わりました。
この本を手にとったきっかけは,「残業しないで成果を出せるのなら,残業をすればもっと成果を出せるだろう」という軽い気持ちでした。ところが,この本は,残業の問題点や弊害をいくつも挙げており,成果を出せるテクニックを紹介したものではなかったのです。
残業ゼロの働き方は自分の人生を変えました。まず日々の心身の充実度合いが違います。以前は常に疲れた状態で出勤していたのが,残業をやめた後は,目覚まし時計も使わず毎日すっきりと1日をスタートできるようになりました。また,バスケットボール,マラソン,サイクリング,トライアスロンなど新たな趣味に没頭できるようになったのも残業をやめた後でした。
本書では,私が20年のエンジニア人生の中で考え,残業しない働き方を手に入れた以下のようなノウハウを凝縮しました。
- 残業の問題点
- 自分の心の壁を乗り越える方法
- 残業しないで周りの信頼を得る方法
- 決められた時間内に成果を出す方法
日々残業で疲れ切ったエンジニアの方はもちろん,業務でなかなか成果を出せない方にも何かヒントになれば幸いです。
(本書「はじめに」から)
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- 短い時間で最大の成果を目指そう!
- 働き方改革,ワークライフバランスなどの言葉と共に,残業しない働き方や効率が良い働き方が注目されています。
目次
はじめに
序章 脱・残業で成果と自分の時間を取り戻せ
- 1 専門家ではなく作業員として見られるエンジニア
- 2 残業が定着してしまう2つの理由
- 3 残業をしてしまうと「社畜のスパイラル」にはまる
- 4 残業で犠牲にしている4つのもの
- 5 残業をやめるために越えなければならない2つの壁
第1章 残業をやめるための6つの鉄則
- 01 すべてのタスクを終わらせる必要はない
- 02 時間は命だと常に意識する
- 03 エンジニアも「即断,即決,即実行」で仕事する
- 04 完璧主義を捨てる
- 05 一貫性と実績を意識して自信を持つ
- 06 「残業しない」と強く決断する
第2章 きっちり定時でタスクを終えるための自分管理術
- 07 25分×10回の集中で1日の成果は出せる
- 08 大きな仕事から時間を確保する
- 09 小さな仕事は合間時間を利用して処理する
- 10 頭を使う仕事は午前中に持ってくる
- 11 昼休みを1日の中間点にする
- 12 15分単位で仕事をする
- 13 デスクにいない時間を有効に利用する
- 14 翌日の計画で1日を終える
- 15 週ごと,月ごとの計画をきちんと立てる
- 16 移動時間を有効に使う
- 17 パフォーマンス維持のために「休憩」も必要
- 18 自分の時間を奪うものを排除する
- 19 必要な書類やデータファイルを常に整理する
- 20 時間の浪費には付き合わない
- 21 デスク上には必要なものだけを出す
- 22 PCのデスクトップアイコンを最小限にする
- 23 判断を先延ばしにしない3つの方法
- 24 「やったほうが良い」ことではなく「やるべき」ことをやる
- 25 「ドキュメントを残す」という発想を捨てる
- 26 思いついたことはすぐメモを取る
- 27 「思いつき」でやる前に,アイデアをたくさん出す
- 28 メールは決まった時間だけ見る
- 29 自動化できる作業は自動化する
- 30 PDCAサイクルで改善点を見つける
- 31 デバッグの考え方で働き方を改善する
第3章 システム開発の現場できっちり成果を出す
- 32 エンジニアに求められていることを理解する
- 33 「言われたとおりに動かなければならない」という固定観念を捨てる
- 34 「指示待ち状態」では自分の時間をコントロールできない
- 35 仕事を邪魔する自分のこだわりを捨てる
- 36 プロジェクト内の次の問題を常に把握し続ける
- 37 上流工程にたっぷりと時間をかける
- 38 リスク管理をきちんとおこなう
- 39 「うまく進めること」だけでなく,「うまく復旧すること」も考える
- 40 「できない」とは言わず代替案を出す
- 41 できるだけルールで問題を解決しない
- 42 開発技術だけでなく,調査技術も身につける
- 43 自分で調べるべきこと/人に聞くべきことを区別する
- 44 必要がない会議にはできるだけ出ない
- 45 会議は終わりの時間も守る
- 46 会議では「次のアクション」を明確にする
- 47 判断の基準となる優先順位を決めておく
- 48 自分の武器を把握する
第4章 コーディングを効率アップする
- 49 ソースコードを純資産にする
- 50 ライブラリや過去のコードを積極的に使う
- 51 ツールやライブラリのライセンスは必ず確認する
- 52 ソースコードはきれいな状態を維持する
- 53 変数や関数の名前にこだわる
- 54 「30秒ルール」で関数を書く
- 55 モジュール化と抽象化を使いこなす
- 56 「誘導」を意識してコード設計をする
- 57 時には力技も必要
- 58 直感的に理解できるソースコードを書く
- 59 重要なことはコメントに書いておく
- 60 コメントアウトするくらいなら削除する
- 61 ごちゃごちゃしてきたら思い切って根本から変える
第5章 信頼を得られるコミュニケーション能力を身につける
- 62 エンジニアにとって大切なのは「聞く」力
- 63 話を聞く時には手を止める
- 64 「言った」と「伝えた」は違う
- 65 対人でもあいまいさを排除して明確に伝える
- 66 専門用語に頼らない
- 67 相手の態度は自分の態度次第でコロコロ変わる
- 68 説得するだけでは,相手は納得しない
- 69 批判をするなら「人」ではなく「事」に
- 70 悪いことを指摘するときは,「良いこと」も同時に伝える
- 71 メールの往復回数を意識する
- 72 質問をするときにはYes / Noクエスチョンで
- 73 自分が信頼されるためには,まず相手のことを信頼する
- 74 「信頼の貯蓄」を始めよう
- 75 “予知能力”を発揮して,絶大な信頼を勝ち取る
- 76 知識を相手のために正しく使う
- 77 誰の責任かではなく,自分で責任を取れる部分を考える
- 78 こまめに状況を報告する
- 79 悪い報告もきちんとする
- 80 「いつまでに終えるか」をきちんと伝える
第6章 定時で成果を出すためにエンジニアスキルを高める
- 81 良い会社員と良いエンジニアは同じではない
- 82 分野のスペシャリストになる
- 83 会社員のメリットを最大限に利用する
- 84 会社の常識は世間の非常識
- 85 自分がやってきた業務・調査を記録する
- 86 自分だけの業務知識を蓄積する
- 87 広い分野に興味を持つ
- 88 セミナーや勉強会などに参加してみる
- 89 学んだことを実践する
- 90 情報を発信する
- 91 自宅でプログラミングをやってみる
- 92 人に教えてみる
- 93 自分のもうひとつの専門を持ってみる
- 94 職場の外とのつながりを大切にする
- 95 キャリアの計画をきちんと立てる
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