『Selenium実践入門―自動化による継続的なブラウザテスト』
(2016年2月、技術評論社)より転載
本書は、Seleniumを使ってブラウザテストを自動化するためのノウハウが詰め込まれた1冊です。ブラウザ・デバイスの多様化やアジャイルな開発スタイルの普及により、現代では手作業によるテストだけでシステムの品質を保つのはますます難しくなってきています。Seleniumを活用したテストの自動化は、このような問題を解決するものであり、効率的で快適なシステム開発を行うための有用なソリューションの1つです。
本書の執筆にあたり、筆者らが目指したのは次の2つです。
- (1)初心者はもちろんのこと、初心者を脱したあとも手元に置いておきたい、詳細なリファレンス本であること
- (2)周辺技術も含め、Seleniumテストに必要と思われる技術を幅広く網羅すること
(1)を達成するために、多くのSelenium WebDriver(本書ではWebDriverと略します)コマンドについて広く深く解説した「WebDriverコマンド徹底解説」の章や巻末早見表、事例を含む運用ノウハウの章を本書に含めました。
(2)を達成するために、JUnitなどのテストフレームワークと組み合わせる方法やCI、モバイル向けのテストについても解説し、さらにGeb・FluentLenium・Capybaraなど、効率よくスクリプトを書くためのライブラリにも多くのページを割きました。
本書の原稿が形になると、早くも筆者はSeleniumで困ったときは本書を参照するようになり、やがて手放せなくなりました。Seleniumについて質問されたときに、本書のページを開いて解説したくなったことも一度や二度ではありません。
ほかならぬ筆者がそうだったように、Seleniumによるテスト自動化・効率化を目指すみなさんにとっても、きっと本書は欠かせない1冊となるでしょう。レビュアーの方々からも「まさにSelenium大全」「異常なまでの詳しさ」と評された本書が、みなさんに素晴らしいテスト自動化の成果をもたらすことを願ってやみません。
2016年1月 著者を代表して 伊藤望