「はじめに」
『Chef実践入門――コードによるインフラ構成の自動化』より転載
著者を代表して 安藤祐介
2014年4月
本書は、サーバ構築自動化・構成管理ソフトウェアであるChefについて解説する書籍です。
Chefは増大する一方のサーバを手早く管理したいというニーズの高まりと周辺ツールの充実から注目が集まり、2012年から2013年にかけて多くの会社や組織、そして個人ユーザが利用を開始しました。
ChefはChef Soloを使ったサーバ1台からの利用に始まり、Chef Serverを使った数千台、数万台のサーバでの利用をカバーする柔軟さがあり、その利用者の関心や問題意識も、同じソフトウェアの利用者とは思えないほどにさまざまです。
本書では、1台の仮想サーバを対象にまずはChefを使ってみるという基本的な内容から始まって、後半では実践的なノウハウや大規模な環境での利用といった応用トピックを解説していますので、みなさんの関心にあわせて好きな個所から読みはじめられるようになっています。また巻末では、日々のChefを使った作業の手引きとして、コマンドの各種オプションやシンタックスを紹介しています。
本書は次のような方を対象読者としています。
- サーバ構築の自動化や構成管理に関心があり、業務やプライベートなどでChefの利用を検討している方、またはすでにChefを利用している方
- Linuxの利用経験があり、基本的なコマンドを知っている方
- RubyやPHPを利用した開発やシェルスクリプトなどの作成経験がある方
本書内の記述はこれらを前提にしていますので、必要に応じてほかの書籍やWebサイトなども参照するようにしてください。
本書がみなさんのお役に立てることを筆者一同、心から願っています。
謝辞
本書の執筆に際しては、原稿をMarkdownで記述して、GitHubでバージョン管理するとともに、Jenkinsを利用してコミットごとにビルドして、Dropbox経由でビルドされた原稿を配信するというしかけを使いました。各ツールの作者に感謝します。
内容については、浦底博幸(@urasoko)さん、岡本渉(@wokamoto)さん、小山健一郎(@k1LoW)さん、川崎禎紀(@kawasy)さん、桑野章弘(@kuwa_tw)さん、新原雅司(@shin1x1)さん、藤原俊一郎(@fujiwara)さん、宮内隆行(@miya0001)さん、和田修一(@wadap)さん(五十音順)にレビューいただきました。年末の忙しい時期に細かい点までレビューいただいたことでより読みやすいものになりました。ありがとうございました。