知りたい!サイエンス
ガウスとオイラーの整数論
~中学入試算数が語るもの~
- 吉田信夫 著
- 定価
- 1,738円(本体1,580円+税10%)
- 発売日
- 2011.2.23
- 判型
- 四六
- 頁数
- 252ページ
- ISBN
- 978-4-7741-4548-8
サポート情報
概要
整数論と聞くと難しいと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが,整数こそ私たちが小学生のころから親しんできた数です。算数といっても,整数論をもとに,ガウス記号やパスカルの三角形,オイラーの定理など,中学以降に習う礎がそこには多く含まれています。本書では,灘中の問題を題材にしていますが,気負うことはありません。そこには,整数の面白さが満載なのです。ガウスやオイラーの考え方にも言及しながら,皆さんに思考力や発想力,視点の転換を感じ取ってもらえれるよう構成しています。
こんな方にオススメ
- 数学,整数,自然数,数に興味がある人
- 中学入試問題に挑戦してみたい人
- 数学の発想法を知りたい人
目次
01 ガウス記号と等差数列の和
- 問題1:ガウス記号の処理と“ペア”の発想を用いる和の計算
- 問題2:“等差数列の和”の公式による計算の応用
重要事項
- ガウス記号
- 発想“ペアを作って考える”
- 等差数列の和の公式
02 中国の剰余定理と合同式
- 問題3:余りに関する条件の扱い方
- 問題4:割り算と小数の性質
- 問題5:中国の剰余定理の使い方
重要事項
- 中国の剰余定理
- ユークリッドの互除法
- 合同式
- 数学的帰納法
03 組合せといくつかの重要発想
- 問題6:組み分け方法の数え方
- 問題7:数え方の工夫と全体を見通した計算法
- 問題8:全体を見通した計算法と対称性の利用
重要事項
- 順列,組合せ,階乗
- 発想“対称性と特殊性を見抜く”
- 発想“否定を利用して考える”
- 発想“全体を見通して考える”
04 パスカルの三角形と二項定理①
- 問題9:最短経路の個数の数え方
- 問題10:個数変化の法則とパスカルの三角形
重要事項
- パスカルの三角形
- 組合せが満たす法則
- 二項定理
05 パスカルの三角形と二項定理②
- 問題11:組合せの値に関する法則
重要事項
- パスカルの三角形で見つかる諸法則
- 階乗の中に含まれるある素因数の個数
06 倍数判定と倍数の配置
- 問題12:27で割り切れ,81で割り切れない条件
- 問題13:999で割り切れる条件
- 問題14:各位の数が1,2,3,4,5,6になる64の倍数
- 問題15:倍数の分布を周期で把握
重要事項
- 3,9,7,11の倍数判定法
- 倍数の分布
07 約数とオイラーの関数
- 問題16:約数と単位分数分解
- 問題17:72の約数の総和とオイラーの関数の値
重要事項
- 約数の個数と総和
- 等比数列の和の公式
- オイラーの関数とその性質
08 余りの周期とフェルマーの小定理
- 問題18:等差数列を12で割った余りの周期
- 問題19:等比数列の1の位の周期
重要事項
- フェルマーの小定理
- オイラーの定理
- 等比数列を割った余りの周期
09 循環小数の徹底研究
- 問題20:位の入れ替えと分母999999の分数
- 問題21:循環小数を意識した約分計算
- 問題22:循環小数と分数の関係のまとめ
重要事項
- 覆面算
- 分数と循環小数
- 極限,無限級数
- 小数点の移動と分子変化
- 循環小数の循環長
10 フェルマーの最終定理
- 問題23:フェルマーの最終定理のn=4の場合
重要事項
- フェルマーの最終定理
- 背理法
- 無限降下法
プロフィール
吉田信夫
1977年 広島で生まれる。1999年 大阪大学理学部数学科卒業。2001年 大阪大学大学院理学研究科数学専攻修士課程修了。2001年より研伸館にて,主に東大・京大・医学部などを志望する中高生への大学受験。
数学を指導する。そのかたわら「大学への数学」,「理系への数学」などでの執筆活動も精力的に行う。