ためしてわかるセマンティックWeb 〜次世代型データ活用術〜
- 伊藤健太郎,佐藤勇紀,濱崎俊 著
- 定価
- 2,838円(本体2,580円+税10%)
- 発売日
- 2007.11.6[在庫なし]
- 判型
- B5変形
- 頁数
- 256ページ
- ISBN
- 978-4-7741-3242-6
概要
情報データのシステム化が進むとともに,そのデータの量も膨大になってきています。
本書ではその解決策として期待されているセマンティックWebについてわかりやすく解説します。セマンティックWebはデータに意味を持たせることにより,効率よくデータ検索を可能にする技術です。セマンティックWebの前提となるHTMLやXML,Unicode,さらにセマンティックWebを実現するための技術であるRDFやOWLについて詳説し,実際にその利点を試してもらえるように仮想システム実装のソースコードやRDFを用意しています。
データの量にうんざりして頭を抱えている方に一押しです。
こんな方にオススメ
- 大量のデータを扱うシステムの開発者
- データベース技術者
目次
Chapter 1 セマンティックWebとは
- 1.1 Webの歴史
- 1.1.1 ハイパーテキスト
- 1.1.2 インターネット
- 1.1.3 Webの始まり
- 1.1.4 Mosaicの登場とブラウザ戦争
- 1.1.5 インターネットの普及とドットコムバブル
- 1.1.6 検索エンジン
- 1.1.7 Web 2.0
- Column 検索エンジンの種類
- 1.2 現在のWebの問題点
- 1.2.1 Webの役割の拡大
- 1.2.2 問題点1:情報の粒度について
- 1.2.3 問題点2:情報の結びつきについて
- 1.2.4 情報の検索と取得について
- 1.3 セマンティックWebによる問題の解決
- 1.3.1 セマンティックWebとは
- 1.3.2 セマンティックWebの実現に向けて
Chapter 2 セマンティックWebの前提となる技術
- 2.1 HTMLとXHTML
- 2.1.1 HTMLの概要
- 2.1.2 HTMLの構成要素
- 2.1.3 HTMLドキュメントの構造
- 2.1.4 HTML周辺技術
- 2.1.5 HTMLからXHTMLへ
- Column SGMLとHTML,XHTMLの関係
- 2.2 URI
- 2.2.1 URIの構成
- 2.2.2 URLとの違い
- 2.2.3 URIの構造
- 2.2.4 パーセントエンコーディング
- 2.2.5 URIの国際化
- 2.3 Unicode
- 2.3.1 Unicodeの概要
- 2.3.2 Unicodeとは
- 2.4 XML
- 2.4.1 XMLの概要
- 2.4.2 XMLの関連規格
Chapter 3 セマンティックWebを構成する技術
- 3.1 RDF
- 3.1.1 RDFの概要
- 3.1.2 RDFの構文
- Column RSSとRDFの関係
- 3.1.3 RDFの記述例
- 3.1.4 RDFのツール
- 3.2 RDFスキーマ
- 3.2.1 RDFスキーマの概要
- 3.2.2 RDFスキーマの構文
- 3.2.3 RDFスキーマの記述例
- 3.3 OWL
- 3.3.1 オントロジーの概要
- 3.3.2 OWLの概要
- 3.3.3 OWLのクラス定義
- 3.3.4 OWLのプロパティ定義
- 3.3.5 OWLの個体の定義
- 3.3.6 OWLのヘッダー
- 3.3.7 OWLの記述例
- 3.3.8 OWLのツール
- 3.4 SPARQL
- 3.4.1 SPARQLの概要
- 3.4.2 SPARQLのクエリー言語
- 3.4.3 SPARQLクエリーのリモート上での実行
- 3.5 GRDDL
- 3.5.1 GRDDLの概要
- 3.5.2 GRDDL変換でのXSLTスタイルシートの指定
Chapter 4 セマンティックWebを利用した仮想システム
- 4.1 仮想システムの業務概要
- 4.1.1 業務の全体像
- 4.1.2 業務における課題
- Column EDI
- 4.1.3 セマンティックWebによる課題解決
- 4.2 仮想システムのシステム構成
- 4.2.1 システム構成
- 4.2.2 コンポーネント構成
- 4.3 仮想システムでの処理の流れ
Chapter5 仮想システムの実装
- 5.1 OWLオントロジーの設
- 5.1.1 ステップ1:対象とする領域の決定
- 5.1.2 ステップ2:既存オントロジーの再利用の検討
- 5.1.3 ステップ3:使用される用語の列挙
- 5.1.4 ステップ4:クラスとクラス階層の定義
- 5.1.5 ステップ5:プロパティの定義
- 5.1.6 ステップ6:プロパティの制約定義
- Column オブジェクト指向におけるクラス設計との関連
- 5.2 OWLとRDFデータの作成
- 5.2.1 X社のデータ
- 5.2.2 A社のデータ
- 5.2.3 B社のデータ
- 5.2.4 仮想システムにおける各データの配置
- 5.3 アプリケーションの実装
- 5.3.1 Jenaの基本
- 5.3.2 RDF取得プログラム
- 5.3.3 RDFリポジトリ
- 5.3.4 検索Webアプリケーションの構築
- 5.4 仮想システムの稼動確認
- 5.4.1 RDFデータの取得
- 5.4.2 検索の実行
- 5.5 仮想システムにおけるセマンティックWebのメリット. . 2 1 4
Chapter 6 セマンティックWebの事例と今後の発展に向けて
- 6.1 W3Cで公開されているセマンティックWebの事例
- 6.1.1 地理情報参照フレームワーク
- 6.1.2 リアルタイムでの関連アイディアの提示
- 6.2 情報統合ソリューションとしてのセマンティックWebの適用
- 6.3 セマンティックWeb発展に向けてのアプローチ
- 6.4 おわりに
Appendix A 仮想システムの導入手順
Appendix B Notation 3
プロフィール
伊藤健太郎
日本IBMに入社後,SEとして流通/製造業などのITシステム開発プロジェクトに参画。
現在は,主にWebアプリケーションのアーキテクチャ設計や標準化支援に従事している。他に,機械学習や画像認識なども得意分野。休日は,手を動かして「ものづくり」に励んでいることが多い。佐藤勇紀
日本IBMに入社後,主に製造業のプロジェクトに参画し,システムアーキテクチャ設計や標準化に携わる。興味のある分野は,開発プロセスや,設計/開発作業の支援ツール開発など。また,最近はOSや計算機のアーキテクチャといった基盤分野や,統計学などの数学分野のスキルを身に付けるべく奮闘中。
濱崎俊
日本IBMシステムズ・エンジニアリング入社後,グリッド・コンピューティングを中心に,J2EE,ポータル,Web認証など,Webシステム関連のプロジェクトに参画し技術支援を実施する。
OS,ミドルウェアの基盤構築から,アプリケーション開発まで広くこなすが,仕事を断われないのが悩み。現在の関心事は,オントロジーを使ったモデル駆動開発や,Webマイニングなど。休日の日課は,愛機MacBook をかかえての無線スポットめぐり。