知りたい!サイエンス
ピタゴラスの定理でわかる相対性理論
―時空の謎を解く双曲幾何―
- 見城尚志,佐野茂 著
- 定価
- 1,738円(本体1,580円+税10%)
- 発売日
- 2006.10.4[在庫なし]
- 判型
- 四六
- 頁数
- 240ページ
- ISBN
- 4-7741-2903-8
サポート情報
概要
ピタゴラスの定理がわかれば,球面幾何学の意味がすっきりし,双曲幾何学が手に取るようにわかります。さらに ピタゴラスの定理見方を変えて再度吟味してみると,球面幾何学の意味がすっきりし,双曲幾何学が手に取るようにわかります。さらに永久問題の平行線の公理を美しく解決でき,相対性理論の「時間と空間」を解明することができます。
最終章では,古代ギリシャ時代からアインシュタインまでの偉人たちの挑戦の歴史をひも解きます。本質に迫ろうとする偉人たちの失敗と成功,思考の過程とともに,「時空間の幾何学」が明らかになります。偉人たちの挑戦のストーリーは,難しい数式もなく,わくわくしながら一気に読めます。永久問題の平行線の公理を美しく解決でき,相対性理論の「時間と空間」を解明することができます。
最終章では,古代ギリシャ時代からアインシュタインまでの偉人たちの挑戦の歴史をひも解きます。本質に迫ろうとする偉人たちの失敗と成功,思考の過程とともに,「時空間の幾何学」が明らかになります。偉人たちの挑戦のストーリーは,難しい数式もなく,わくわくしながら一気に読めます。
本書が書評に取り上げられました!
「ピタゴラスの定理でわかる相対性理論」の書評が,日本経済新聞の夕刊(2006年11月22日水曜日)の「目利きが選ぶ今週の3冊」に掲載されました。
こんな方にオススメ
- 科学に興味のある方
- 相対性理論に興味のある方
- 幾何学に興味のある方
目次
第1章 事始めピタゴラスの定理
- 1.1 3-4-5の不思議
- 1.2 完全数6のこと
- 1.3 数のあそび
- 1.4 ピタゴラスの定理を満たす整数
- 1.5 ピタゴラス数になりそこなった自然数と大フェルマーの定理
- 1.6 知っているつもりのピタゴラスの定理
- 1.7 タイル張りと並び替え
- 1.8 音階の研究もしたピタゴラス
- 1.9 相似形を使った証明
- 1.10 ピタゴラス学派の大事件
- 1.11 純正律と平均律
- 1.12 ピタゴラスを救ったユークリッドの証明
- 1.13 余弦定理と正弦定理
- 1.14 ユークリッド幾何の真髄はこれだ −座標の導入−
第2章 ユークリッドの公理を見直してみよう
- 2.1 根本からの見直し
- 2.2 5つの公準から4つの公理へ
- 2.3 図形の移動と裏がえし ―合同に関する基本―
- 2.4 直線の存在,線分との違い
- 2.5 合同と相似
- 2.6 三角形の合同と相似について ―一歩立ち止まって考える―
- 2.7 三角形の4心
- 2.8 垂心の定理
- 2.9 平行線とは何か?
- 2.10 三角形の内角の和は180°か
- 2.11 平行線についての永久問題
第3章 球面上の直角三角形ではどうなる
- 3.1 天動説から地動説へ ―球面上には平行線が1本も無い―
- 3.2 球面上の円と直線
- 3.3 合同はあるが相似はない ―三角形の内角の和は180°より大きい―
- 3.4 球面上での図形の移動
- 3.5 対称変換 ―平面幾何の裏返しに対応―
- 3.6 平行線がなく,相似がなく,三角形の内角の和が180°より大きい
- 3.7 球面幾何の直線を再確認する
- 3.8 しかし2点を結ぶ直線が無数にあった。球面幾何の公理
- 3.9 姿を変えたピタゴラスの定理
- 3.10 余弦定理と正弦定理
- 3.11 球面幾何の余弦定理
- 3.12 三平方の定理への回帰
- 3.13 非ユークリッド幾何に向けて ―球面三角形の面積は?―
第4章 双曲幾何に向けて
- 4.1 双曲幾何のピタゴラスの定理
- 4.2 三角関数は動的現象,双曲線関数は静的現象
- 4.3 x=0の近くでは三平方の定理になる
- 4.4 双曲幾何の夜明け
- 4.5 透視図法 ―遠近法の発見 ―無限を有限にとりこむテクニックのヒント―
- 4.6 複比(compound ratio)
- 4.7 複比の封印を解く
- 4.8 平行線はどうなるか
第5章 複素平面の幾何から見直してみると
- 5.1 複素平面で図形を描いて移動させる
- 5.2 複素平面での円と正多角形
- 5.3 ガウスが正17角形の作図に成功
- 5.4 複素平面での図形の移動とピタゴラスの定理
- 5.5 合同変換から見た直線
- 5.6 ポアンカレのモデル ―上半平面と単位円板―
- 付録1 楽しく学ぶための三角関数と双曲線関数の基礎
- 付録2 双曲線と双曲線関数
第6章 永久問題:予想外の解決 ―ピタゴラスの定理はどうなる?―
- 6.1 複素平面上の複比と分数変換
- 6.2 分数変換と新しい直線
- 6.3 上半平面に距離を定義して双曲幾何を構成
- 6.4 双曲直線
- 6.5 化粧直しをしたピタゴラスの定理 ―3平方の定理とは何だったか―
- 6.6 永久問題を美しく解決!
- 6.7 永久問題とは何だったか
- 6.8 双曲三角形の内角の和は180°より小
- 6.9 やっぱり合同はあるが相似はない −相似に見えて合同な双曲三角形−
- 6.10 双曲三角形の内心と重心を調べる
- 6.11 双曲ピタゴラスの定理を計算する
- 6.12 非ユークリッド幾何の相互関係
- 6.13 ケーリー変換 ―単位円板・上半平面間の移動―
- 6.14 曼荼羅の世界 エッシャーの開眼
第7章 時空に潜む双曲幾何 ―相対性理論とピタゴラスの定理―
- 7.1 電気力学と光学の台頭
- 7.2 相対性原理の夜明け前
- 7.3 本章のデスティネーション
- 7.4 アルバート少年の疑問
- 7.5 スイス特許局時代 ―歴史が動いた―
- 7.6 相対性理論とは
- 7.7 インターバル不変の変換
- 7.8 ブリーム線図からローレンツ変換を導く
- 7.9 レーデル線図からも試してみよう
- 7.10 二次元ミンコフスキー線図での計算
- 7.11 三次元ミンコフスキー空間の中のユークリッド平面
- 7.12 双曲面上の幾何と単位円板の幾何
- 7.13 宇宙船の船首と船尾はどうなる
- 7.14 同時性の崩壊とはなにか?
- 7.15 速度の加算はどうなるか?
- 7.16 高速で走っている物体とピタゴラスの法則
- 7.17 時空の迷彩メカニズム
第8章 ピタゴラスの教義から科学精神へ ―ユークリッドの第5公準の呪縛―
- 8.1 ピタゴラス派の幾何 ―ピタゴラス(B.C.572-492)のストーリー―
- 8.2 ユークリッド原本の平面幾何
- 8.3 永久問題「第5公準」を証明せよ
- 8.4 永久問題への試み
- 8.5 サッケリーの新構想
- 8.6 ロマンチシズム時代の幾何学
- 8.7 ガウスの永久問題への態度
- 8.8 ボヤイ親子の挑戦
- 8.9 辺境に生まれた非ユークリッド幾何
- 第9章 新しい幾何モデルからアインシュタインへ ―第5公準の呪縛からの解放―
- 9.1 ルネサンス期に生まれた射影幾何
- 9.2 ガウスの曲面論
- 9.3 ポアンカレの双曲幾何モデル
- 9.4 アインシュタインの相対性理論
- 9.5 ミンコフキーの時空間モデル
- 9.6 アインシュタインとポアンカレが考えた物理の公理
- 9.7 開けてしまったパンドラの箱
- 9.8 21世紀の科学技術へ
コラム
- 日本語「無理数」の語源
- 定理(theorem)は劇場(theatre)に由来する
- 角の単位としての角度と弧度法
- 正多面体とフラーレン
- 人生幾何
- 相対性理論エピソード(1)
- 相対性理論エピソード(2)
- 平行線角を計算してみる
問題
- 五角形を使って相似と合同の関係を示す図形
- 幾何とは?
- 複比不変の確認問題