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まだ使えるPCを廃棄物にするなんて! ―openSUSE⁠Windowsからの乗り換えをめざす「End of 10」イニシアチブに合流

2015年7月にMicrosoftがリリースしたWindows 10は、今から約5ヵ月後の2025年10月14日にサポートを終了し、この日以降、Microsoftからソフトウェア更新やセキュリティ修正プログラムが無料で提供されることはなくなる。10月14日はWEEEフォーラムによって制定された「国際電子廃棄物の日(International E-Waste Day⁠⁠」でもあるのだが、皮肉にもこの日に大量の電子廃棄物(e-waste)が誕生する可能性は高い。

以前からWindowsからLinuxへのデスクトップ移行を推奨してきたSUSE/openSUSEは、MicrosoftのWindows 10サポート終了に関する一連の対応について批判を繰り返してきた。とくに同社がWindows 11にアップグレードできないマシンのリサイクルまたは廃棄を呼びかけていることに対し、⁠まだ動作するコンピュータをリサイクルに出したり廃棄することはサステナブル(持続可能)ではない」と強く反発し、2024年11月から「Upgrade to Freedom(自由へのアップグレード⁠⁠」というキャンペーンを展開してきた。openSUSEのプロジェクトマネージャを務めるDouglas DeMaioは同キャンペーンの趣旨について「Linuxディストリビューションへの移行プロセスを通じてユーザを総合的にガイドすることで、環境に配慮したソリューションを選択するよう、人々に奨励していく」説明している

このUpgrade to Freedomキャンペーンの趣旨をより多くの人々に伝えるため、openSUSEは5月5日付けで同キャンペーンと目的と起源を共有する「End of 10」という別のイニシアチブに移行することを発表した。

End of 10(https://endof10.org/
End of 10

End of 10はGNOMEやKDEといったオープンソースデスクトッププロジェクトに関わってきたメンバーなどがボランティアで立ち上げた組織で、Webサイトの構築やホスティングはKDEプロジェクトがサポートを提供している。Windowsからの乗り換えを希望するユーザと支援を申し出る人々をつなぐリソースハブとして機能しつつ、来る10月14日に向けて、ハードウェアを廃棄するのではなくソフトウェアをアップグレードすることを推奨しており、コミュニティやメディアへの働きかけを積極的に行ってきた。その活動にopenSUSEが合流、Windows10からの乗り換えキャンペーンをより強力に推進していくことを掲げている。本来、電子廃棄物への認識を高めることを目的に制定されたE-Waste Dayだが、End of 10の存在がその日に電子廃棄物となる予定のデバイスを延命させるサポートにつながることを期待したい。

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