この連載はOSSコンソーシアム データベース部会のメンバーがオープンソースデータベースの毎月の出来事をお伝えしています。
OSSがビルディングブロックになってデジタル変革は進む(はず)@OSC東京春
2月21日
OSC大阪ではソフトウェア開発のコンポーネントとしてのDBMSを中心にして考えましたが、今回のOSC東京春では、もう少し視点を拡げてITシステム構築でのOSSの活用について考えるセッションにしました。
- 〔講演者・
パネリスト〕 -
- 今村 かずきさん 独立行政法人情報処理推進機構
(IPA) - 油谷 実紀さん TIS株式会社
- 比毛 寛之さん 東京システムハウス株式会社
(オープンCOBOLソリューション部会) - 内田 太志さん 株式会社インプリム
(データベース部会) - 梶山 隆輔 日本オラクル株式会社
(データベース部会) - 溝口 則行 OSSコンソーシアム
- 今村 かずきさん 独立行政法人情報処理推進機構
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オープンソースエコシステムをどのように変えていくか
まず、IPAの今村かずきさんに発表の口火を切っていただきました。
OSSは、複数のOSS、複数のプレイヤーが相互に影響し合ってその価値を発揮するものです。OSSを取り巻くプレイヤーの関係性
ただ、日本国内でのOSSエコシステムには課題もあります。プレイヤー間の連携不足、課題共有の不足、短期的利益の偏重などです。これら問題点の原因のひとつとして、OSSについての理解がまだまだ不足しており、機会損失や、実践していても非効率なやり方をしてしまっているのではないかとの見解が示されました。
レガシー刷新とコンポーネント選択
二人目は、東京システムハウスの比毛寛之さんです。
COBOLは
稼働基盤が変わった後、以前のメインフレームなどで使っていたミドルウェアなどがそのまま使えるわけではありません。データベースで言えば、PostgreSQLなどへの移行作業が伴います。また、COBOL言語からJavaへの変換ツールが話題に上る機会が増えました。OSSコンソーシアムのオープンCOBOLソリューション部会では、従来型のいわゆるCOBOLコンパイラに当たるopensource COBOLに加えて、ソースコードをJavaに変換するopensource COBOL4JをOSSとして公開しています。
ノーコード開発ツールプリザンターとMySQL、パネルディスカッション
上記の他に、OSSコンソーシアムのデータベース部会から、ノーコード/
内田さんには、プリザンターがユーザが直接触れるビジネスアプリである観点から、ビジネスアプリ開発に際して他のOSSの活用についてお聞きしました。
梶山からは、MySQLが長く愛され続けている視点から、これまでのMySQLの歩みと開発スタイルなどについてお話ししました。
最後のパネル討論は、講演発表では話しにくいであろう意見をパネリストから引き出すことを意図して、筆者溝口がモデレータになって次のような点について話しました。
- OSSをITシステム実現の部品にすることについてどう思うか?
100%のYes・ Noでは無いはずなので部品として採用しやすい条件は何か? - OSS開発者は
「愛される部品作り」 に務めるのが良いか? それともOSSを部品として使って 「魅力的な完成品」 を目指すのがいいか? - 日本の産業界のデジタル変革は、まだ勝ち筋はあるか?
そしてOSSはそれに貢献するか?
IPAから「オープンソースとは? 今さら聞けないDX関連用語をわかりやすく解説」
今回の企画タイトルの後半部分
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今回のオープンソースカンファレンスも1月の大阪と同様にセミナーを含む全てが会場開催でしたので、オンライン配信はありませんでした。講演のスライド資料は支障のない部分についてはOSSコンソーシアムのWebページで公開します。
OSC東京春のOSSデータベース関連セッション
OSC東京春では、その他にもOSSデータベースやデータ活用関連の発表が多数実施されましたので、まとめて記しておきます。
- オープンソースRDBMSや、その互換DBの最新動向
- 爆速!
DBチューニング超入門 ~DB性能の基礎とPG-Stromによる高速化~ - MySQL最新情報
- PostgreSQL最新動向 ~カラムナストアから生成AI連携まで~
- PostgreSQLバックアップ基礎講座
- Apache Sparkに対するKubernetesのNUMAノードを意識したリソース割り当ての性能効果
(GridDBと一緒に) Pythonの標準インタフェースDB-API (2. 0) を使ってみましょう。 ~JPype DBAPI2の利用方法とApache Arrowによる高速化~ - PostgreSQL&リレーショナルデータベース超入門
「TiDB」 をKubernetesで動かしてみよう! 2025年最新版 - GraphRAG: Neo4jグラフデータベースを生成AIに使いましょう。
- データベースの自由を解き放つ: 生成AIを活用したSQL ServerからMySQLへの移行
- Webアプリ
「プリザンター」 のMySQL/ PostgreSQL/ SQLServerマルチ対応
[MySQL]2025年2月の主な出来事
2月のMySQLのバージョンアップはMySQL Operator for Kubernetes
HeatWave MySQLへのMariaDBからの移行事例
2月13日に開催されたOracle CloudWorld Tour Tokyo 2025では、多くのセッションの中にHeatWave MySQLに関するものも用意されていました。このセッションでは、KDDIグループの一部となるラック株式会社が運用する、脅威情報などを企業や組織間で共有し連携を図るSecureGRIDアライアンスにおける事例が紹介されました。このSecureGRIDアライアンスの核となるシステムでは、以前はAWS EC2上のMariaDBにデータを蓄積していましたが、十分な処理性能が得られていなかった課題を解消するためにインスタンスのスペックを上げるとコストも上昇する、という問題に直面していました。Oracle Cloud Infrastructure
日本MySQLユーザ会のメーリングリスト刷新
日本MySQLユーザ会
日本MySQLユーザ会 25周年 & MySQL 30周年記念イベント準備中
日本MySQLユーザ会は2000年3月28日に開設され、今年で25周年を迎えます。またMySQLの最初のリリースは1995年5月23日となっており、今年が30周年の節目の年となります。この2つのマイルストーンを記念したイベントを、3月25日に日本オラクルの本社 青山センターにて開催する準備が進んでいます。MySQLに長年携わってきているエンジニアの方々や、日本におけるMySQLの歴史を知る方々などの講演などを予定しています。
[PostgreSQL]2025年2月の主な出来事
2月は、サポート中の全メジャーバージョンに対するマイナーバージョンのリリースが2回ありました。危険度が高めのセキュリティ脆弱性の修正が含まれていますが、この脆弱性修正が不十分だったようで、1週間後に緊急リリースとして再修正版がリリースされています。
最新はPostgreSQL 17.4、16.8、15.12、14.17、13.20
2月20日、PostgreSQL 17.
PostgreSQL 17.3、16.7、15.11、14.16、3.19のリリースでのその他の改善
最新版は上記のバージョン17.
- 接続リクエスト内の63バイトを超えるデータベース名とユーザー名の切り捨て動作がバージョン17以前に戻されました。
- 並列ワーカーに対して接続特権のチェックと制限を実行せず、代わりにリーダープロセスからこれらを継承します。
- LWLock待機イベント名からLockサフィックスが削除されます。
- ウィンドウ集計で古い結果が再利用される可能性があったため、不正確な結果が生じる可能性があった問題が修正されました。
これらの修正点やここでは省略した修正点は主にPostgreSQL 17に影響するものですが、一部はサポートされている他のバージョンにも影響する可能性があります。詳細は各バージョンのリリースノートを参照してください。
2025年3月以降開催予定のセミナーやイベント、ユーザ会の活動
イベントごとに利便性のあるオンライン開催や、従来通りのオンサイト
Oracle Cloudウェビナー - MySQLをベクトル・ストアとして活用し、セマンティック検索をする方法
日程 | 2025年3月5日 |
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場所 | オンラインセミナー |
内容 | MySQL 9. 本セッションではこれらの新機能について解説し、MySQL内のテキスト・ |
主催 | 日本オラクル セミナー事務局 |
第52回 PostgreSQLアンカンファレンス@オンライン
日程 | 2025年3月27日 |
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場所 | オンライン開催 |
内容 | 2025最初のPostgreSQLアンカンファレンスです!
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主催 | PostgreSQLアンカンファレンス |
オープンソースカンファレンス 2025 (5月~7月開催)
日程 | 〔Nagoya〕2025年5月31日 〔Shimane〕2025年6月21日 〔Hokkaido〕2025年7月5日 |
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場所 | 〔Nagoya〕中小企業振興会館 〔Shimane〕松江テルサ 〔Hokkaido〕札幌市産業振興センター 産業振興棟 |
内容 | Nagoyaは3月上旬から出展者募集予定、Hokkaidoは4月中旬から出展者募集予定、Shimaneは執筆時点ではまだ情報が出ていません。OSSデータベース関連の発表については、今後に公開されるプログラム詳細をご参照ください。 |
主催 | オープンソースカンファレンス実行委員会 |
日本MySQLユーザ会 25周年 & MySQL 30周年記念イベント
日程 | 2025年3月25日 |
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場所 | 日本オラクル 青山センター |
内容 | 本記事でもご紹介していますが、日本MySQLユーザ会25周年、およびMySQL 30周年を記念したイベントの開催を準備中です。申し込みページなどは近日公開予定です。 |
主催 | 日本MySQLユーザ会 & 日本オラクル セミナー事務局 |