横河ディジタルコンピュータは、今回の展示会のタイミングで3件のプレスリリースを発表しました。その中の1つとして披露されていたのが、LCD 一体型組込み機器向けプラットフォーム「Armadillo―500 FX液晶モデル」をベースにしたWindows Embedded CE 6.0デベロッパーズキット「WA5501FX-D00Z-60」です。これは「Armadillo―500 FX 液晶モデル 開発セット」と「専用BSP(Board Support Package)」と「Windows Embedded CE 6.0評価版」と「ユーザサポート」がすべてセットになった製品およびサービス。オプションでアットマークテクノ製の無線LANカードも提供されます。今回の会場でも、Armadilloは至るところで見られる人気端末。『「WA5501FX-D00Z-60」を利用することにより、この端末を活用した組込み製品や試作機の開発を迅速かつ容易に行えるようになります』と、横河ディジタルコンピュータの北村晃さんは説明してくれました。実際、タッチスクリーンで画面を切り替えたり、地図を動かしたりするデモも紹介。iPhoneライクな画面操作はもはや組込み機器でも主流になっていくのかもしれません。
写真7 「Armadillo―500 FX液晶モデル」をベースにしたWindows Embedded CE 6.0デベロッパーズキット
コア
電子機器への組込みソフトウェア開発事業を幅広く展開するコアは、今回NECエレクロトニクスのARM9向け開発キットT-Kernel SDK for ARM9(MP201)をはじめ、T-Engineソリューションを幅広く展示。開発コスト削減に寄与できる選択肢として来場者に訴求していました。それとは別にUIツール開発に一石を投じる製品として、コアの大地秀二さんが紹介してくれたのが、オーストラリアのFLUFFY SPIDER TECHNOLOGIES社のFANCYPANTS。“次世代組込みグラフィックス”と銘打たれた視覚効果ライブラリです。「最近はUIをきれいに見せたいというニーズが増えていますが、しかし、3D表示にしたり動画的に見せようとすると、それ相応のハードウェアリソースが要求されます。そこまでコストはかけられないというときにFANCYPANTSが役に立ちます」(大地さん)。
ARM Cortex OMAP35x汎用アプリケーション・プロセッサでは、画像コーデック処理ソリューションも記憶に残りました。PDA端末を想定した機器にピクサー社の映画コンテンツを走らせていたのですが、これも非常に高精細。このデモではOMAP3530プロセッサを利用しているそうで、日本テキサス・インスツルメンツの担当者さんは、「CPUのみでも高機能を発揮するんですが、これはビデオアクセラレータや2D/3Dグラフィックス機能も同時に搭載しているため、ここまでできるんです」と胸をはっていました。