OpenAI⁠自然言語からコードを生成するオープンソースのコーディングエージェント「Codex CLI」リリース

OpenAIは2025年4月17日、ターミナルからコマンドラインで動作する軽量コーディングエージェント「Codex CLI」をリリース、GitHubにてApache License 2.0にもとづくオープンソースとして公開した。

Codex CLIは、ターミナルからコマンドラインでプロンプトを入力することで、実際に動作するコードに変換するコーディングエージェント。インストールもコマンドラインからnpmコマンド1つで完了し、OpenAI APIキーを設定すればすぐに使い始めることができる。またネットワークを無効にし、ディレクトリをサンドボックス化することで、安全かつセキュアに完全自動動作させることも可能。マルチモーダル機能により、スクリーンショットや図を渡してプログラムに機能を実装できる。

Codex CLIの実行例
Codex CLIの実行例

ファイルの読み取り、書き込み、コマンド実行はすべてローカルで行われる。プロンプト、高レベルコンテキスト、およびオプションの差分要約のみがモデルに送信され、生成されるため、コード全体がOpenAIにアップロードされることはない。以下の3つのモードで動作する。

Suggest(提案)
デフォルトのモード。--suggestオプションで起動。ファイルを読み取り、編集内容とシェルコマンドを提案する。変更やコマンド実行の前にy/nの承認が必要となる。コードレビューや学習、安全な探索などに使用される。
Auto Edit(自動編集)
--auto-editオプションで起動。ファイルの読み取りと書き込みを自動的に実行する。シェルコマンド実行前に確認メッセージが表示される。リファクタリングや繰り返しの編集作業に適している。
Full Auto(完全自動)
--full-autoオプションで起動。サンドボックス化されたネットワーク非対応の環境内で、現在のディレクトリをスコープとしてコマンドの読み取り、書き込み、実行を自動的に行うことができる。壊れたビルドの修正や、プロトタイプ作成などの長時間タスク用。

ディレクトリがGitによって追跡されていない状態でAuto EditまたはFull Autoモードを開始すると、Codexは警告/確認メッセージを表示する安全策も講じられている。また、近日中に追加の安全対策が確立される予定で、その際にはネットワークを有効にした状態でも自動実行するコマンドを設定する「ホワイトリスト」を作成できるようになるという。

Codex CLIの動作プラットフォームとして、macOS(12以降)とLinux(Ubuntu 20.04以降/Debian 10以降)が公式にサポートされている。Windows(Windows 11)で動作させるにはWSL2(Windows Subsystem for Linux)が必要。このほかNode.js 22以降、Git 2.23以降の環境が推奨されている。

またAIモデルとしては、Responses APIで利用可能なすべてのモデルがサポートされている。デフォルトのモデルは応答速度を考慮してo4-miniが採用されているが、たとえばGPT-4oに変更したい場合は--model gpt-4oオプションを使用するか、設定でmodel: gpt-4oを指定することで変更可能。

なお、OpenAIは2021年に自然言語プロンプトからコードを生成するAIシステム「Codex」をリリースしたが、このモデルは2023年3月をもって非推奨となり、今回発表されたCodex CLIとは別物であるとのこと。

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