Linus Torvaldsは4月6日(米国時間)、次期Linuxカーネル「Linux 6.15」の最初のリリース候補版となる「Linux 6.15-rc1」を公開した。2週間前にリリースしたLinux 6.14よりもかなりサイズが大きくなっているが、Linusによれば「“通常”の範囲の大きなリリース」であり、コミット数/変更行数ともに多いものの、ごく正常のリリースだとしている。
Linux 6.15ではいくつかの大きな変更が予定されており、その1つにBcachefsのアップデートとオンディスクフォーマットのソフトフリーズが挙げられる。Bcachefsの開発者であるKent OverstreetはLinux 6.15で予定しているアップデートとして、スクラブ(scrub)やページサイズより大きいブロックサイズのサポート、ペタバイトレンジへの拡張、大文字/小文字を区別しないファイルのサポートなどに加え、オンディスクフォーマットがソフトフリーズ(soft frozen)の段階に達したことを明かにしたプルリクエストを3月24日付けで送っている。これにより、Bcachefsのオンディスクフォーマットの更新は今後オプションベースとなり、自動更新などは行われなくなる予定だ。
Bcachefsに関しては、2024年からOverstreetの度重なる問題行動により、CoC(Code of Conduct)委員会からOverstreetのプルリクがリジェクトされるなどの迷走があったが、ここにきてようやくファイルしてステムとしての実験的なフラグを削除する段階にたどり着きそうだ。
また、Linux 6.15‐rc1のマージ作業の後半には、Linusが新しいDRM(Direct Rendering Manager)コードに対して「ビルドするたびに"hdrtest"という不快なクソ(disgusting turds)がランダムに残るんだけど、これは死滅させなきゃダメだ」と不満を漏らすと、そのテストコード(hdrtest)を生成する原因となったIntel Xe GPUドライバを担当したIntelエンジニアのJani Nikulaがすぐに「hdrtest: hide the disgusting turds(不快なクソを隠す)」というパッチを投稿し、無事にマージされている。
Linux 6.15は、開発が順調に進めば5月後半か6月前半ごろの正式リリースが期待される。