Android Weekly Topics

新型MINIのナビがAndroid 12ベースの独自開発で進む

BMWがMINIのブランドを得てからは、自動車としての完成度は高いのでしょうが、ジリジリと大きくなる姿に違和感があり興味を失っていました。最新のMINIを見てみると、搭載されているインフォテインメントシステム「MINI Operating System 9(以降OS9⁠⁠ 」は、AndroidをベースとしたBMWの独自開発です。

高度に統合されたインフォテインメントシステムは、電気自動車専用の認識でしたが、OS9は内燃機関車にも搭載されています。しかも、MINIシリーズ専用にハードとソフトが用意されたようなので詳細に迫ってみます。

直径24cm⁠円形ディスプレイのインパクト大

MINIに搭載されたインフォテインメントシステムは、QNX > Linux > Androidという流れで進化をしており、最新のOS9は、Android AutomotiveではなくAOSPのAndroid 12がベースです。国内へは、搭載車両が2024年から導入されています。

特徴的なのは、ダッシュボード中央に搭載された9.4インチ(直径24センチ)の円形OLEDディスプレイと、これに最適化されたユーザインターフェースです。

Android関連で円形ディスプレイを搭載するのは、Wear OS搭載のスマートウォッチくらいで、これと比べても3倍以上の大きさです。これは、クラッシックミニのダッシュボードにあるメータ類をモチーフにしていますが、知らないと取って付けたように感じるのはご愛嬌です。

大きな円形ディスプレイは、一度見れば忘れないので、これだけでも成功と言えそうです。

ソフトは平均的な仕上がり

操作は、タッチスクリーンを使ったタッチが基本で、左右にスワイプすると、ウィジェットが切り替わり表示内容が変わります。

操作方法やUIデザインは、同じ円形ディスプレイを搭載するWear OSと似ていると感じる部分が多くあります。と思えば、画面の下にメニューを兼ねたランチャーバーが表示されていたりと、タブレットの操作感とも似ているように見えます。

ともあれ、ナビは謎操作を強いられる端末が多くありますが、OS9はスマートウォッチかタブレットを使ったことがあれば難なく使えそうです。

外部との接続性は、Apple CarPlayとAndroid Autoの完全ワイヤレス接続に対応、他には5G通信にも対応します。ともに国内でも対応車両が増えているので、珍しいものではありません。

ナビゲーションは、通信機能を使いクラウドベースになっています。

交通情報や工事情報、事故情報など最新の交通情報をリアルタイムで反映して、ルートの最適化や精度を向上します。他、自宅のPCやスマホのアプリと連携して目的地やルートを共有する仕組みもあります。どれも、Googleマップで体験している話で、珍しいものではありません。

そのナビゲーションシステムは「予測型」と謳っています。たとえば、過去の運転パターンを機械学習で分析して、目的地の到達前に駐車場情報を提示する機能があるようです。邪魔にならないのか使ってみたいです。

また、SpotifyやAmazon Musicとシームレスに連携できます。これも、クルマで音楽を聴くのに、スマホでクラウド経由が当たり前になったので珍しいものではありません。

他、MINI Connected Storeからデジタルサービスが購入できます。

MINI Connected | MINI.jp

たとえば、MINI CONNECTED PACKAGEを購入すると、走り出すことなく交通量の多い場所や渋滞を表示したり、ナビゲーション中に建物を3D表示する機能が追加されます。

これを1,280円/月か12,800円/年の契約で利用できます。また、ニュースや天気予報、最寄りのガソリンスタンド情報などが入手できる「MINI ONLINE」が2,500円/年で販売されています。

デジタルサービスは、どれもあれば便利ですが無くても不自由のないもので、私がオーナーだったら買うことはなさそうです。

たとえば、別売りでも良いので、始めてのルートでは丁寧に、何度か通っているところはポイントだけを音声、頻繁に使うルートは表示だけになるとか、ナビの性格を激変させるパラメーターを別売りしてもおもしろいかもしれません。

10年続けてくれるか……

正直、ダッシュボードに鎮座する円形ディスプレイのインパクトと比較すると、ソフトウェアはどれでも平凡で地味に感じます。とはいえ、ソフトは後付けでも何とかなるので、これからかもしれません。

しかし、インフォテインメントシステム関連のハードだけ交換できないと思うので、あまり長い目で見ることもできないのと、こうしたコネクテッドサービスを、輸入車だとモデル末期まで続けてくれるのか心配にもなります。いまどき、日本車だから安心というのもありませんが、10年は続けてくれると安心なんですが……。

今週は、このあたりで、また来週。

おすすめ記事

記事・ニュース一覧