今回は最新のAPUであるRyzen 7 8700GをUbuntu 22.
自作PCのコストパフォーマンス
本連載では度々自作PCの話題を取り上げてきました。回数的には筆者の担当が多く、最近の記事だと以下が代表的でしょうか。
- 第631回 AMD Ryzen 7 PRO 4750Gを使用する
[前編] - 第632回 AMD Ryzen 7 PRO 4750Gを使用する
[後編] - 第651回 AMD Ryzen 3 PRO 4350Gで省エネコンパクトPCを構築する
- 第732回 大人気ベアボーンASRock DeskMeetとUbuntuでNASを組む
[ハードウェア選定編] - 第733回 大人気ベアボーンASRock DeskMeetとUbuntuでNASを組む
[構築編]
毎年のように取り上げていますね。
性懲りもなくまた買ってしまいました。Ryzen 7 8700Gです。でも今回は大変な冒険でした。というのも、ご存知のとおり円安でPCパーツ
今回の構成
泣き言はこのくらいにして、ハードウェア構成を見ていきましょう。
分類 | メーカー | 型番 |
---|---|---|
APU | AMD | Ryzen 7 8700G |
マザーボード | GIGABYTE | B650I AORUS ULTRA |
メモリー | Team | CTCCD564G6000HC48DC01-A |
CPUファン | ID-COOLING | IS-55-BLACK |
SSD | キオクシア | SSD-CK1. |
ケース | InWin | B1 |
AMDは強力なGPUを内蔵したCPUをAPUと表現しているので、ここではそれに則ります。
パーツ選定のポイントはメモリーです。型番からはわかりにくいですが容量は64GBです。速度
オンボードGPU
この表と同じ構成にすることはないでしょうが、正直全くおすすめしません。というのも、B650I AORUS ULTRAはどうも正面から見てやや右側にCPUファンの取付穴があるらしく、通常のケースであれば今回のように12cmファンを積んだCPUファンにすると収まりません。元々は別のケースを想定していたのですが、入らないことがわかっていろいろ考えていると第635回で使用したB1の存在を思い出しました。これはケースの横にファンがあり、これを取り外すと余白が生まれます。
また全面にドーターボードを増設してSATAポートなどを使用できるようにしているため、きつきつのケースに収めるのはかなり難しいです。B650I AORUS ULTRAを選択する場合はそのあたりのことに注意をしましょう。あるいは選択しないのも手です。筆者はひとまずCPUファンを変更予定です。
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新しいAPU/
インストールするUbuntu
インストールするUbuntuのバージョンは22.
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というのも、第705回で紹介したRadeon Software for Linux、すなわちAMD公式ドライバーを使用することによってGPUパフォーマンスが引き上げられるからです。リリースノートを読んでもiGPUに対応するとは記述されていないのですが、過去もそうだったので今回もどうかなと試してみたら、やはり同様でした。iGPUにもRadeon Software for Linuxの効果があります。
確認は某ゲームが起動し、正しく動作するかで行いました。23.
カーネルのバージョンは22.
有線LANのチップはIntel I225-V、無線LANのチップはMediatek MT7922で、どちらも認識しています。
第697回で紹介したセンサーは、少なくとも22.
ベンチマーク
せっかくなので前モデルとなるRyzen 7 5700Gと速度を比較してみましょう。PCのスペックは次のとおりです。
分類 | メーカー | 型番 |
---|---|---|
APU | AMD | Ryzen 7 5700G |
マザーボード | GIGABYTE | B550I AORUS PRO AX |
メモリー | SanMax | SMD4-U64G88M-32AA-D |
CPUファン | Scythe | SCBSK-3000R |
SSD | キオクシア | SSD-CK1. |
光学ドライブ | パイオニア | BDR-212BK |
電源 | 玄人志向 | KRPW-PT500W/ |
PCケース | Cooler Master | Elite 130 |
筆者が実運用しているPCなのでSSDがあと2つついてますが、ないものとしました。
ベンチマークソフトはおなじみのPhoronix Test Suiteです。
まずはグラフィックの結果からみていきましょう。
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図3はOpenGL、図4はVulkan、図5はOpenGL ESの結果です。いずれも5700Gよりもかなりの高速化が図られていますが、例えばこのフレーム毎秒でゲームができるのかといわれると厳しいです。
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図6はまた別のOpenGLの結果ですが、このくらい気持ちよく差がついてかつ実用性のある結果になることもあります。
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かといって図7のように5700Gよりも遅くなる結果もあります。これはなんだかおかしな結果で、2回実施しても同じような傾向だったものの他のマザーボードで試したときにはこのような結果にはならなかったのでB650I AORUS ULTRAのなにかに原因があるように思われます。メモリーの速さかと思ってUEFI BIOSでのメモリーの速度を見てみたのが図8です。
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これは解説がないと何を読み取れるのかわかりにくいでしょう。最初のFrequencyは周波数として、2番目から4番目まではレイテンシです。なので値が低いほうが速いです。Currentによりメモリーに記録されている速度よりも速く動作しているということがわかります。よってこれといって遅くなる原因は思いつきません。
図7ほどではないものの、全体的にB650I AORUS ULTRAはグラフィックの結果は遅く出る傾向があることは付記しておきます。グラフィックの性能を重視するのであれば他のマザーボードのほうがいいかもしれません。
CPUはまず7-Zipの圧縮と展開を見ていきましょう。
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図9が圧縮、図10が展開です。8700Gが5700Gよりも速いのは当然のことですが、5700Gだと圧縮と展開であまり速度差がないものの、8700Gは圧縮のほうがずいぶん速くなっています。
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図11と図12はカーネルのビルド時間です。図11はおそらく最もシンプルな構成でのビルドで、図12はすべてのモジュールを有効にしたビルドで、かかる時間も全く異なっています。図12のほうが実態に近いでしょう。このくらいの差が出るのであれば買い替えてもいいかなと思えてきます。